2018 Fiscal Year Research-status Report
個別化放射線治療に向けたリキッドバイオプシーの応用
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18K07760
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
染谷 正則 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60404711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後町 俊夫 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80723402)
池内 佑太郎 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00827876)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リキッドバイオプシー / エクソソーム / マイクロRNA / 治療効果予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
「個別化放射線治療」を実現させるために、「リキッドバイオプシー」という手法を用い、リンパ球および血漿中に存在する腫瘍由来のエクソソームの核酸・タンパクなどを調べ、癌の放射線感受性予測に応用する。 2018年度は、腹部~骨盤部に放射線治療を施行した子宮頸癌、直腸癌、肛門癌、膵癌など、約50名の患者より血液を採取し、血漿およびリンパ球などの試料を分離採取した。またリンパ球のDNA-PK活性測定、放射線誘発ガンマH2AXフォーカス測定、血漿からエクソソーム内包マイクロRNA発現解析に必要なサンプルの分離調整を行った。 また、子宮頸癌に疾患を絞っての治療効果予測研究のベースとして、2010~2015年にかけて当院で根治的放射線治療を行った子宮頸癌患者の治療成績の遡及的調査と、治療時に撮影したCTベースでの腔内照射の線量分布解析を行い、ステージ・腫瘍径・照射線量(特にHR-CTVのD90のEQD2)といった臨床的パラメータを用いた治療効果予測モデルの検討を行ない、この研究成果の概要を2018年10月に行われた第31回日本放射線腫瘍学会学術大会で発表した。また2019年4月の第78回日本医学放射線学会総会においても発表する準備を進めている。臨床的パラメーターでの治療効果予測に、リキッドバイオプシーから得られたバイオマーカーを加える事で更なる治療効果予測精度の向上が得られるかどうかを引き続き検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腹部~骨盤部に放射線治療を施行した子宮頸癌、直腸癌、肛門癌、膵癌など、約50名の患者より血液を採取し、血漿およびリンパ球などの試料を分離採取した。エクソソーム内包miRNA発現解析に関しては、血漿から分離採取できるエクソソームの量が少ないため、具体的には血漿500~1000μLから分離できるマイクロRNAが10~100pg程度のごく微量しか回収できず、収量を増やす工夫および微量でRNA解析を行うため、RNA-seqという次世代シーケンサーを用いた解析の導入を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、目標の200名を目指して血液採取を継続する。同時に分離した血漿およびリンパ球サンプルのRNA発現解析と、DNA-PK活性測定、放射線誘発ガンマH2AXフォーカス測定を行っていく。血漿エクソソーム内包マイクロRNA解析は代表的なサンプルを選んでRNA-seqを用いた次世代シーケンサーでの解析で、RNAの定性および定量が可能かどうか検討を進める。サンプルが得られた患者群の臨床情報を収集し、局所再発や遠隔転移の有無といった放射線治療効果の予測因子に関連する生物学的因子の同定を進める。
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Causes of Carryover |
(理由) サンプル収集を優先させており、研究計画に差支えないことを前提に、一部の試薬や測定キットの購入を次年度に見合わせたためである。 (使用計画) 前年度に購入しなかった試薬を購入し、その他は概ね計画通りに使用する。
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Research Products
(5 results)