2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K07820
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
富永 康仁 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (20599245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青天目 信 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30570072)
岩谷 祥子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教 (60724903)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 先天性GPI欠損症 / 活性化葉酸 / てんかん / 知的障碍 / 高ALP血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.令和2年度に大阪大学医学部附属病院で先天性GPIアンカー欠損症(IGD)と新規診断した症例はなかった。そのため当院で既にIGDと診断されフォローしている8例に対し検討した。本研究では、ピリドキシン療法によってもてんかん発作が難治に経過している症例でかつ髄液内の葉酸が欠乏している(髄液中5-MTHFが低値)と推定される患者が対象となる。現時点では、2例が対象例となりうると判断した。また実際に患者に薬物(活性型葉酸)を投与する研究であるため、当院の倫理委員会に研究計画書を申請し承認を得たが、2019年の臨床研究の制度改正に伴い従来の治療に並行して活性化葉酸を投与することが困難になり、あらためて特定臨床研究への乗り換えに計画修正し承認を得た。しかし当院の2例のみでは対象者が少ないため、対象者を日本国内の本疾患患者に広げて本研究への参加を募ったが、コロナ禍により1年以上にわたり当院への受診が叶わなかったり、他施設でも受診頻度の制限もあり活性化養蚕の実際の投与には至らなかった。 2.国内の多施設の医療機関にて9例のIGDに対して前方視的に高用量のピリドキシン治療を1年間行ない、そのけいれん抑制効果と発達への効果をまとめて医学雑誌の“Brain & Development”に発表した。その中でけいれんを呈する6例中、3例で50%以上のけいれん頻度の減少と1例で90%以上の減少を認めたこと、その他けいれんが増悪した例はなかったことと、全9例中の8例で発達の改善を認めたことを報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実際に患者に薬物(活性型葉酸)を投与する研究であるため、大阪大学の倫理委員会に研究計画書を申請し承認を得た。しかし、2019年の臨床研究の制度改正に伴い従来の治療に並行して活性化葉酸を投与することが困難になり、あらためて特定臨床研究への乗り換えに計画修正し承認を得た。当院のみでは対象者が少ないため、対象者を日本国内の本疾患患者に広げて本研究への参加を募ったが、コロナ禍により当院への受診が叶わなかったり受診制限もあり投与の実施には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は国内の他医療機関の協力も得て実際にIGD患者に活性型葉酸を投与する予定である。
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Causes of Carryover |
対象患者の選択の段階で実際に開始はしていないために次年度に繰り越ししています。
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