2019 Fiscal Year Research-status Report
rTMS therapy for the child epilepsy using the navigation system
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18K07843
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下野 九理子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 准教授 (60403185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 雅弥 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任准教授(常勤) (10722952)
富永 康仁 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (20599245)
岩谷 祥子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教 (60724903)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | てんかん / TMS / 抑制系 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児期発症の難治てんかんの治療としての反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の可能性について検討する研究である。 rTMSは刺激頻度を低頻度刺激にすることにより神経活動を抑制的導き、一方高頻度刺激をすることにより神経活動を興奮性にも誘導することができる。成人領域においてはうつの治療として保険適応があり、重篤な副作用もなく安全性も検証されている。また脳卒中後のリハビリテーションにおいて神経疎通性の向上のためにリハビリと組み合わせてTMSを行うなど様々な疾患に対象を広げている。一方、小児におけるTMS治療の経験は我が国ではほとんどなく、またてんかんの治療として使う場合にはてんかん原性領域あるいはてんかん活動の広がりを見据えた領域を対象として刺激を行う必要があるため、ナビゲーションシステムを用いてターゲットを絞って刺激することが望ましい。従って、小児期発症のてんかん治療に用いる場合にはこれらの技術的な点において課題は多い。当院ではrTMSシステムを導入し、成人においてrTMSをナビゲーション下で行うことはできるようになった。思春期以上の小児においても有害事象なく行えることを確認した。ただし刺激閾値を設定するためのMEPにはばらつきが大きく安定しないことがわかった。患者の状態および施術者の技術的な要因が考えられる。治療前後には脳波の比較により治療効果を判定する必要があることからてんかん患者の他の様々な治療の前後における脳波の解析を行い、spike rate、周波数解析を含めた指標の変化について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の倫理審査における制度の改定などにより倫理審査が遅れており、治療としての研究を開始できないでいる。一方抗てんかん薬を含む様々な治療前後での効果判定を脳波のみで行えるかについて検討するため、脳波解析ソフトPersystを用いてspike rate, 周波数データの解析を行っている。現在はautoのspike detection が比較的容易なBECTSの患者の脳波を用いて経年的な変化を検討しているところである。今後症候性焦点性てんかんを中心に対象を広げていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
長期的な治療効果を見ていくところまでは非常にハードルが高いので、単回の施行前後での脳波変化および脳の機能局在の推定を目的とした研究をまず行うこととする。また研究協力者を増員して研究の推進に努める。
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Causes of Carryover |
倫理審査の遅れなどの理由により実際の治療に関わる支出やデータ解析が進んでいない。次年度にはデータ解析およびモニタリング、学会発表などによって使用する計画である。
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Research Products
(15 results)