2021 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍溶解性ウイルスによる抗がん免疫応答の解析と新規消化管がん治療開発への応用
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18K07951
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森 義徳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80468248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 英嗣 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30405188)
片岡 洋望 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40381785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸がん / reovirus / STING |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、マウス大腸がん細胞、CT26を用いた、in vivoおよびin vitroの検討により、reovirusおよびSTING agonistはともに細胞傷害性T細胞の誘導を介した抗腫瘍免疫をもたらすこと、また、これらの併用はより強力な作用を有することを明らかとした。同種移植系大腸がんマウスモデルによるdual flank モデルを用いた検討では、reovirusおよびSTING agonistの併用による腫瘍免疫の誘導、およびアブスコパル効果の誘導が確認された。 本年度は、マウスから摘出した腫瘍を用いて、reovirusおよびSTING agonistの併用による腫瘍免疫の誘導のメカニズムを詳細に検討した。これまでに、reovirusおよびSTING agonistを併用投与したマウスでは、腫瘍微小環境において細胞傷害性T細胞が誘導されることを確認しているが、さらにフローサイトメトリーを用いて腫瘍微小環境の免疫細胞のプロファイリングを行い、併用投与群で有意に制御性T細胞が抑制されていることを明らかとした。さらに、免疫細胞の誘導に関連した腫瘍局所におけるサイトカインの発現をRT-PCRを用いて検証した。併用投与群では、細胞傷害性T細胞の誘導と関連する1型インターフェロンの発現が有意に増強していた。1型インターフェロンの発現はreovirusの増殖を抑制する作用があるため、腫瘍局所のreovirusの増殖について免疫蛍光染色を用いて検討したが、reovirus単独投与群と、reovirusおよびSTING agonistの併用群で有意差は認めなかった。一方で、制御性T細胞の誘導と関連する、IL-6については有意な変化は認めなかった。その他に、腫瘍免疫と関連するサイトカインである、TNF-α、IFNγについても検証したが有意な変化は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大によりマウス実験の遂行に支障をきたし、やや進捗が遅れてている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスに移植した腫瘍の治療後の免疫プロフィールを、されに詳細に検証する。具体的には、同種移植系大腸がんマウスモデルにreovirus、STING agonistを単独もしくは併用で投与した後に、腫瘍を回収し、mRNAを抽出したのちに、デジタルオミクスアナライザーを用いてトランスクリプトーム解析を行い、腫瘍免疫誘導メカニズムを解析する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大により、動物実験に遅れが生じたため。
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