2019 Fiscal Year Research-status Report
TFH細胞機能制御を利用した自己免疫性間質性肺炎の治療法開発に関する基盤的研究
Project/Area Number |
18K08182
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
新井 聡子 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70458363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00202763)
倉沢 和宏 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30282479)
大和田 高義 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30456016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
獲得免疫系における濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞による高親和性自抗体産生B細胞の誘導が膠原病の発症に関与する可能性が報告されているが、その役割は明らかでない。本研究はTfh細胞に着目し、関節リウマチ(RA)マウスモデルにおける間質性肺病変の免疫学的発症機構の解明を目的とする。本研究はでSKGマウスを用い たRAモデルを解析する。SKGマウスはT細胞受容体刺激伝達分子ZAP-70の点変異により、潜在的に自己反応性T細胞を有する。真菌成分であるべータグルカンの投 与により関節炎が惹起される。すなわち、関節炎の発症には自然免疫系の活性化により、関節炎惹起性T細胞(Th17細胞)が誘導される。病理組織学的には滑膜 の増殖や炎症細胞浸潤を認め、リウマトイド因子や抗核抗体(一部には抗シトルリン化ペプチド抗体)が血清中に検出される。Tfh細胞のマスター分化因子であるBcl6の機能阻害がRA発症に及ぼす影響を検討するために、SKGマウスにBcl6インヒビターを前投与した後にべータグルカンの投与後の関節炎および間質性肺炎の発症について解析した。その結果、Bcl6インヒビター投与により、関節炎スコア(関節の腫脹)および足関節の病 理学的炎症スコア(リンパ球浸潤、軟骨傷害)、はいずれも減少し、間質性肺炎は軽減した。また脾臓のTfh細胞の減少を認めた。以上より、RAの発症に対して Bcl6は誘導因子として重要な役割をはたすことが明らかになった。さらにRA病態における関節炎の発症に対し、活性化CD4+T細胞特異的なc-Mybの臨床的意義および、Tfh細胞やTreg細胞を含むヘルパーT細胞の各サブセットの機能に対する役割を明らかにするためにSKGマウスの遺伝子型をバックグラウンドとしたc-Myb遺伝子のcKOマウスについて解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SKGマウスの遺伝子型をバックグラウンドとしたc-Myb遺伝子のcKOマウスの産出が十分でなく、実験用マウスの確保が困難である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度から引き続き、RA病態における関節炎の発症に対し、活性化CD4+T細胞特異的なc-Mybの臨床的意義およびTfh細胞やTreg細胞を含むヘルパーT細胞の各サブセットの機能に対する役割を明らかにするために、SKGマウスの遺伝子型をバックグラウンドとしたc-Myb遺伝子のcKOマウスについて解析を進めて行く。
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