2019 Fiscal Year Research-status Report
アミオダロン間質性肺炎における肺胞Ⅱ型上皮細胞での肺サーファクタント代謝の解明
Project/Area Number |
18K08191
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
長内 和弘 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (70221158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 理恵子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40410336)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アミオダロン / 肺障害 / ラット / 肺胞II型上皮細胞 / 層状封入体 / 肺サーファクタント |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度に実施した研究実績に基づき、雄Fisher 344系ラットで作成したアミオダロン肺障害モデルを用いて以下の実験を行った。 1)肺胞 II型上皮細胞(II型細胞)の単離、培養:開胸・気管カニューレ挿管後に肺を摘出し、ブタ膵エラスターゼを注入し、肺組織を細切後、イオパミドール密度勾配遠心を行った。低比重・高比重境界層に分離されたⅡ型細胞を回収し、単離Ⅱ型細胞をアガロースゲル中に包埋し、電顕で検鏡した。細胞小器官の観察と面積計測ソフトを使用してⅡ型細胞の細胞質と層状封入体の断面積を計測した。アミオダロン投与でII型細胞および層状封入体の大型化が観察された。 2)サーファクタントアポ蛋白及びリン脂質合成酵素群の遺伝子発現解析:単離Ⅱ型細胞よりtotal RNAを抽出した。各サンプルのtotal RNAからcDNAを作成し、Phosphate cytidylyltransferase1A(PCYT1A)(de novo経路合成酵素)遺伝子、lysophosphatidylcholine acyltransferase 1(LPCAT1)(リモデリング経路)遺伝子、SP-A, B, C, D遺伝子各々のプローブとプライマーを用い、Taqman法によりリアルタイムPCR法によるmRNAレベル発現解析を行ったところ、サーファクタントプロテイン-A, -B, -C,-Dは差がみられなかったが、PCYT1A, LPCAT1は発現が亢進していた。 3)単離II型細胞におけるホスファチジルコリン合成能の計測: 単離Ⅱ型細胞の培養液中に[3H]塩化コリンを添加し培養した後、細胞から脂質成分を抽出し、[3H]放射性活性を液体シンチレーションにて測定し、単位細胞蛋白当たりのホスファチジルコリンの合成能を算出したところ、アミオダロン投与で亢進していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年7月より金沢医科大学総合医学研究所生命科学研究領域教授に就任した。これに伴い研究室の移動(研究機器・装置)を行ったため、研究活動が数ヶ月停滞してしまった。本年度はこの遅れを取り戻す努力をしてきたが、まだ完全には取り戻せていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の進捗状況はやや遅れているが、理由となった昨年度の研究室の移動は完了し、順調に研究活動を再開している。現在の研究は問題なく進行しているので、遅れた分を取り戻すとともに、来年度の研究計画を順調に遂行できるものと見込んでいる。
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Causes of Carryover |
平成30年7月より金沢医科大学総合医学研究所生命科学研究領域教授に就任した。これに伴い研究室の移動(研究機器・装置)を行ったため、研究活動が数ヶ月停滞してしまった。これに伴い研究費の使用も停滞したが、すでに研究室の移動は完了し、順調に研究活動が再開しているので、遅れた分の研究を今後の研究計画に組み込み取り返すために残額の研 究費を使用する予定である。
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