2020 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of infrastructure for genomic medicine in autosomal dominant tubulointerstitial kidney disease
Project/Area Number |
18K08243
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森貞 直哉 神戸大学, 医学研究科, 客員准教授 (00389446)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 常染色体優性間質性腎疾患 / 嚢胞性腎疾患 / 慢性腎疾患 / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は常染色体優性間質性腎疾患(ADTKD)が疑われた16家系について、次世代シークエンサー(NGS)を用いた包括的腎疾患関連遺伝子解析を施行した。遺伝学的に診断できたのは6家系(37.5%)で、HNF1B(2家系2例)、MUC1(1家系2例)、REN、SEC61A1, PKD1(各1例)であった。MUC1、HNF1B、REN、SEC61A1はいずれも既知のADTKD関連遺伝子である。SEC61A1症例はこれまでに国内で確認されていないため慎重に評価する必要があるが、臨床像からは病因である可能性が高いと考えている。MUC1に異常によるADTKDは、MUC1遺伝子内のくり返し配列(VNTR)への1塩基挿入が発症原因であり、そのため従来のshort read型NGSでは遺伝子変異は同定できないとされていた。われわれはNGSを用いた包括的遺伝性腎疾患解析で既に2例のMUC1症例を同定しており、今回さらに1家系2例の診断を確定できたことで、従来型NGSでもADTKD-MUC1をスクリーニングできることが確実であることを示すことができた。本研究を通じてすべてのADTKD遺伝子異常を確認できたことから、わが国でのADTKD遺伝学的診断体制を確立することができた。 本研究期間(2018-2020年)に39家系のADTKD疑い症例の遺伝子解析を施行し、16家系で原因遺伝子が同定できた(診断率41.0%)。その間にBICC1やPKD1変異例がADTKDと同様の臨床像を呈しうることも示すことができた。また本研究機関中にADTKDに加えCAKUTやネフロン癆症例など合計で276家系の解析を施行し、132家系で診断を確定した(診断率47.8%)。包括的な慢性腎疾患(CKD)・嚢胞性腎疾患の遺伝子解析体制を構築することができたと考えた。
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Research Products
(27 results)
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[Presentation] 千葉市3歳児検尿・腎エコー有所見者より発見された慢性腎臓病(CKD)と腎機能予後について2021
Author(s)
松村千恵子, 菅谷雅人, 升田真依, 小林雅代, 鵜野裕一, 金本勝義, 久野正貴, 松野大輔, 本間澄恵, 大嶋寛子, 福田亜純, 岡田絵里, 森貞直哉, 野津寛大, 末廣真美子, 山口淳.
Organizer
第55回日本小児腎臓病学会
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[Presentation] 小児腎領域の希少・難治性疾患の発見時期および契機に関する全国調査研究2021
Author(s)
濱田陸, 濱崎祐子, 上村治, 服部元史, 中西浩一, 丸山彰一, 伊藤秀一, 森貞直哉, 野津寛大, 張田豊, 原田涼子, 金子徹治, 本田雅敬, 石倉健司
Organizer
第55回日本小児腎臓病学会
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[Presentation] BOR症候群との鑑別に苦慮したTownes-Brocks症候群2021
Author(s)
内田奈生, 菊池敦生, 高橋俊成, 松木琢磨, 菅原典子, 熊谷直憲, 藤原幾磨, 森貞直哉, 野津寛大, 飯島一誠, 呉繁夫
Organizer
第55回日本小児腎臓病学会
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