2018 Fiscal Year Research-status Report
水疱性類天疱瘡における炎症誘起機序の解明と新たな治療法の開発応用
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18K08305
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鶴田 大輔 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90382043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 文稔 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00212069)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 水疱性類天疱瘡 / BP180 / エンドサイトーシス / NF-kappaBシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの一連の研究で、高齢者に多い自己免疫性水疱症である水疱性類天疱瘡(BP)の発症メカニズムに、ヘミデスモソーム分子であるBP180が自己抗体と結合することによって、マクロピノサイトーシスによる同分子の細胞内への取り込みが誘導され、その結果、細胞接着能が低下し、水疱が形成されることが分かった。現在、類天疱瘡抗体結合後の炎症機構の解明を目指して、①BP-IgG結合にともなうBP180エンドサイトーシス後の炎症シグナルの解明および②BP-IgG結合に伴うBP180エンドサイトーシスで生じるポリユビキチン化の解明に関する研究を行っているところである。実際には、GFP標識したBP180(GFP-BP180)を遺伝子導入した培養ケラチノサイト(NHEK)をBP-IgG投与にて刺激し、細胞の状態に関する評価を4D Live-cell imagingの手法を用いて行う予定である。現在、GFP-BP180の作成および遺伝子導入の効率化の検証を行っている。また、炎症性サイトカインであるIL-6および-8の定量法の確立に関しても評価を行っているところである。また、①の結果に加えて、ユビキチン化自体がさまざまな炎症シグナルを誘起することが広く知られていることも踏まえて、BPでの炎症発症機構を制御するメカニズムがBPの新規治療法の開発につながるかどうかの検討を行う予定。炎症シグナル抑制はsiRNAを用いたノックダウン実験で検証する予定であるが、現在siRNAを用いたノックダウン実験が本研究で用いる予定の培養ケラチノサイトで問題なく行えるかどうか予備実験を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ヒト表皮角化細胞の初代培養法を確立し、遺伝子導入用のGFP-BP180を作成している段階である。このGFP-BP180のヒト表皮角化細胞への遺伝子導入はまだ行えていないが、それに向けての予備実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト表皮角化細胞の培養に成功し、遺伝子導入用のGFP-BP180を作成することができれば、実際にGFP-BP180をヒト表皮角化細胞に遺伝子導入し、水疱性類天疱瘡患者から得られた、BP-IgGを投与し、細胞の状態や、細胞が産生、分泌する炎症性サイトカインの定量比較を行う予定。 また、BP-IgG刺激した角化細胞におけるNF-kappaBの核内移行、さらには標的遺伝子の発現状態を免疫細胞染色、免疫ブロットで確認する予定。
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