2019 Fiscal Year Research-status Report
水疱性類天疱瘡における炎症誘起機序の解明と新たな治療法の開発応用
Project/Area Number |
18K08305
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鶴田 大輔 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90382043)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 文稔 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00212069)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 水疱性類天疱瘡 / IL-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
水疱性類天疱瘡患者IgG(BP-IgG)の作成が進み、これをヒト表皮角化細胞の一種であるHaCaT細胞に投与し、サイトカインの発現を検討した。サイトカインの選定にあたっては、これまでに水疱性類天疱瘡で上昇する可能性が強いと考えられている、インターフェロンγ、IL-6、TNFαとした。方法としてはマルチプレックスサスペンションアレイを使用した。時系列としては、投与前、投与後、投与1,3,6時間後を選択した。結果として、BP-IgGを投与後1,3,6時間後に、投与前と比較してインターフェロンγ、TNFαについては目立った違いを認めることは少なくともこのシステムではできなかった。一方で、IL-6についてはBP-IgG投与後1時間でわずかな上昇、3,6時間で急激な上昇(約10倍)を認めることができた。当初の予備実験では1.9倍程度の上昇であったが、実際にはより効率的に上昇させうるシステムを構築できた。現在、アウトプットをIL-6にしぼり、なぜIL-6が発現上昇するのかを1-3時間でのシグナル分子の遺伝子変化をマイクロアレイ解析している。また、少なくともNF-κBの活性化が明らかであった場合には、そのユビキチン化機構を確実に解明し、どのタイプのユビキチン化が著明であったかを決定することとする。予備実験では少なくとも古典的NF-κBの活性化は免疫ブロットで確認済みである。もし古典的以外の経路の活性化や、その他のMAPキナーゼなどの活性化も見られた場合にもできる範囲でユビキチン化との関連について観察する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
とりあえずのターゲットサイトカインの同定までは進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
マイクロアレイによる発現遺伝子の網羅的解析。その後、メジャーな炎症シグナルが同定できれば、その阻害剤あるいはsiRNAによる抑制実験。ユビキチン化機構の解明という順に進める予定である。
|