2018 Fiscal Year Research-status Report
Innovation of new methods rejuvenating lymphopoietic activity in aged hematopoietic stem cells
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18K08355
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横田 貴史 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60403200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
土居 由貴子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60722288)
上田 智朗 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60747517)
新開 泰宏 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70791614)
小澤 孝幸 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90815474)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / 老化 / クロマチン構造調節蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で我々は、造血幹細胞がリンパ球を生み出す初期過程において、核クロマチン構造調節蛋白Special AT-rich sequence binding protein 1 (SATB1)が重要な役割を果たしていること、SATB1の発現量の低下が造血幹細胞の老化に関与していることを見出している。これらの知見を基盤として研究を展開し、独自に作製した遺伝子改変マウス(SATB1レポーターマウス)を用いて解析を行った。 SATB1レポーターマウスは、SATB1の片アリルに蛍光色素tomato遺伝子を導入して作製し、生体内のSATB1 の発現を正確にモニタリングできることを確認した。このマウスにおいて造血幹細胞分画をSATB1の発現量に基づいて細分化し、単細胞レベルでの移植実験を行った結果、SATB1を高く発現する造血幹細胞の方が、リンパ球系細胞の産生能力のみならず長期造血再構築能力も高いことが分かった。その一方、SATB1陽性・陰性どちらの造血幹細胞も、二次移植後のレシピエントの造血を同等に回復させることができ、SATB1の発現レベルに関して不均一な造血幹細胞集団を再構築した。このことから、SATB1は造血幹細胞の自己複製能力とリンパ球への分化能力の両方に重要であるが、その発現量は造血幹細胞の状態によって変容することが示された。 次にこのマウスを1年以上飼育し、加齢とともにSATB1-tomatoの発現がどのように変化していくかを、他の細胞表面抗原の発現量とともに、FACSを用いて評価した。現在生後1年半までのマウスのデーターを集積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画として、SATB1の発現を生理的条件下でモニタリングできるマウスを作製し、個体の老化とともに造血幹細胞においてSATB1の発現がどのように変化していくかを評価できる実験系の確立を目指した。この計画において、成獣マウス骨髄の造血幹細胞分画をSATB1の発現量に基づいて細分化し、in vitroでの機能解析のみならず、単一の造血幹細胞を致死量の放射線照射を行ったマウスに移植し、長期的な造血・免疫系の再構築を評価する実験も行うことができた。以上の状況から、本研究はおおむね当初の計画通りに研究が進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、SATB1レポーターマウスを用いて、加齢に伴う造血幹細胞の機能的変化を解析するとともに、SATB1の生理的な機能をより詳細に解析するため、近年報告された生体内での目標蛋白質のビオチン化方法を応用して、SATB1蛋白のN末端にビオチン化領域とFlagタグ領域を付加したノックインマウスを用いた検討を計画している。このマウスでは、ある特定のペプチド配列を選択的にビオチン化する大腸菌由来ビオチン化酵素BirAを過剰発現するマウスとの交配によって、研究対象のSATB1蛋白質が生体内において特異的にビオチン化される。 作製したビオチン化SATB1マウスから造血幹細胞を分離し、ストレプトアビジンビーズを用い、造血幹細胞の核内においてSATB1と結合している蛋白を同定する。このモデルでは、抗SATB1抗体を用いた手法では極めて困難な高濃度SDSでの洗浄が可能となるため、夾雑物が少なく信頼性の高いchip-sequence assayを行える。さらにアビジンとビオチンの結合と抗Flag抗体による沈降を応用して、造血幹細胞やリンパ球前駆細胞の核内でSATB1と相補的に機能している蛋白が解析可能である。SATB1の標的遺伝子および共役蛋白が、造血幹細胞からリンパ球系への初期分化に伴ってどのように変化していくかを解析し、さらに若年マウスと老年マウスから得られるデーターの比較を行って、SATB1の加齢に伴う機能変化を明らかにする。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Variable SATB1 levels regulate hematopoietic stem cell heterogeneity with distinct lineage fate2018
Author(s)
Yukiko Doi, Takafumi Yokota, Yusuke Satoh, Daisuke Okuzaki, Masahiro Tokunaga, Tomohiko Ishibashi, Takao Sudo, Tomoaki Ueda, Yasuhiro Shingai, Michiko Ichii, Akira Tanimura, Sachiko Ezoe, Hirohiko Shibayama, Terumi Kohwi-Shigematsu, Junji Takeda, Kenji Oritani, Yuzuru Kanakura
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 23
Pages: 3223-3235
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] クロマチン構造制御蛋白SATB1はリンパ球分化における造血幹細胞の機能的ゆらぎに関与する2018
Author(s)
土居 由貴子, 横田 貴史, 佐藤 友亮, 石橋 知彦, 数藤 孝雄, 上田 智朗, 新開 泰宏, 小澤 孝幸, 一井 倫子, 谷村 朗, 江副 幸子, 柴山 浩彦, Terumi Kohwi-Shigematsu, 織谷 健司, 金倉 譲
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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[Presentation] ESAM on the Cells of Endothelial Lineage Plays an Important Role in the Development of Definitive Hematopoiesis2018
Author(s)
Tomoaki Ueda, Takafumi Yokota, Yoshihiro Uno, Tomoji Mashimo, Takao Sudo, Tomohiko Ishibashi, Yukiko Doi1, Yasuhiro Shingai, Akira Tanimura, Michiko Ichii, Sachiko Ezoe, Hirohiko Shibayama, Kenji Oritani, Yuzuru Kanakura
Organizer
The American Society of Hematology 60th Annual Meeting
Int'l Joint Research
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