2019 Fiscal Year Research-status Report
Role of cytokine-producing effector B cells in autoimmune diseases
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18K08410
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新納 宏昭 九州大学, 医学研究院, 教授 (20380636)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / B細胞 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新規サイトカイン産生性エフェクターB細胞(Beff)であるGM-CSF産生Beffについて昨年度の研究をさらに進めた。 (1)Th2サイトカインIL-4やIL-13, 線維化サイトカインTGFβにて特異的に誘導されるGM-CSF産生Beffをプロスペクティブに分離・純化可能にする表面マーカーについて検討を行った。その結果、CD30陽性集団にGM-CSF産生Beffはenrichされることが判明した。一方、CXCR3やCD20などの表面マーカーは、Th1サイトカインIFNγやTfhサイトカインIL-21の環境下で著明に変動することも判明した。さらに、CD30陽性集団に発現する転写因子を検討した結果、形質細胞分化に深く関与するBlimp-1発現は低いことが判明し、GM-CSF産生Beff誘導はB細胞の抗体産生とは異なる分子メカニズムであることが示唆された。 (2)Th2サイトカインIL-4の環境下でGM-CSFは単球の樹状細胞分化を促進することから、Th2環境下でGM-CSF産生Beffが同様の作用を示すか、CD14+単球との共培養(in vitro)にて検討を行った。その結果、この新規Beffは単球由来樹状細胞 (DC-SIGN+CD1a+CD14-CD86+)を誘導することが判明した。 (3)強皮症 (SSc)の病態にはTh2サイトカインや線維化サイトカインの関与が知られている。SScにおけるGM-CSF産生Beffの関与について検討を行った結果、この新規Beffは健常人に比較してSSc患者に有意に多く、中でも限局型よりびまん型に、さらには間質性肺炎などの線維化病変をもつSSc患者に多いことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗体非依存性に機能しうる新規のサイトカイン産生性BeffとしてGM-CSF産生Beffをについて詳細に機能解析が進むと同時に自己免疫疾患との関与についても明らかになった。以上より、本研究の達成度としてはおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
GM-CSF産生Beffについては自己免疫疾患との関連についてまでかなり明らかになったため、今後はT-bet発現Beffなどに主にフォーカスして研究を進める予定である。
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