2018 Fiscal Year Research-status Report
IFALDの病態解明に基づく大建中湯を用いた新規治療法の開発
Project/Area Number |
18K08578
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
矢野 圭輔 鹿児島大学, 附属病院, 特任助教 (30757919)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
大西 峻 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (10614638)
山田 和歌 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 特任助教 (20457659)
川野 孝文 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40457651) [Withdrawn]
加治 建 鹿児島大学, 附属病院, 特任教授 (50315420)
中目 和彦 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (70448570)
町頭 成郎 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (80404523)
向井 基 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (80468024)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (80528042)
桝屋 隆太 鹿児島大学, 附属病院, 特任助教 (90448572)
春松 敏夫 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (70614642)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 短腸症候群 / IFALD / 大建中湯 / 長期絶食 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児外科疾患である多発小腸閉鎖や中腸軸捻転、壊死性腸炎等により大量小腸切除を余儀なくされた短腸症候群患児らは、長期絶食下での完全静脈栄養(TPN)による術後管理が必要になる。TPN管理下におかれた患児では腸管不全関連肝障害(IFALD)を発症し、予後に大きな影響を与えることがあるが、IFALDの発症に関しては全体が明らかにされていない。一方、大建中湯は、一般的にイレウスの治療に用いられている漢方薬で、近年その下部消化管運動促進作用以外に、血流増加作用と炎症性サイトカインの抑制に働くことが示されつつある。 本研究では消化管に様々な効果的作用をもつ大建中湯を用いて、短腸症候群モデルラットにより短腸症候群・長期絶食におけるIFALDの発症機序を明らかにするとともに、IFALDの予防的治療法を開発することを目的とする。 本年は、7週齢の雄性SDラットを本研究のモデル動物とし、ヒトの平均寿命と68歳(WHO2012)ラットの平均寿命は725日を比較検討しヒトの約1年間に相当する14日間をモデルラットの長期絶食期間として設定し観察を行った。モデルラットの作成は、吸入麻酔下に右外頸静脈から右上大静脈起始部に中心静脈カテーテルを留置し、皮下を通して背部に導出し頸静脈栄養ルートを確保する方法で行った。大建中湯は、日局カンキョウ、日局サンショウ、日局ニンジンの乾燥エキスが5:2:3の比率で配合されているツムラ大建中湯エキス顆粒(株式会社ツムラ)を用いた。ヒトに対し使用される大建中湯の量は一般的に15gであるため、成人体重50kgで換算し1日投与量を0.3g/kgとして、胃内に投与した。Control群には同量の乳糖を投与した。14日間飼育した後、様々な項目で評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験手技や管理方法の習得に時間を有したものの、動物実験モデルの確立とサンプルの確保は一定数行えた。我々の先行研究で2週間の絶食TPNでPNALDを発症することが確認されているが、病理組織学的に大建中湯投与モデルでPNALD発症が抑制できる傾向がみられている。同様に小腸粘膜の萎縮も改善できる傾向がみられている。
|
Strategy for Future Research Activity |
炎症性サイトカインの解析を行い、さらに大建中湯がもたらすPNALDに対する効果について検討を加えていくと同時に、大量腸管切除モデルも確立させ、大建中湯の投与により、IFALDの病態発生メカニズム解明のための検討を行っていく。
|
Research Products
(9 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] 【小児NST病態栄養シリーズ:経腸・静脈栄養手技のUp to date(上級編)】 重症心身障がい児に対する術中透視下小開腹胃瘻造設術2018
Author(s)
矢野 圭輔, 加治 建, 町頭 成郎, 村上 雅一, 馬場 徳朗, 春松 敏夫, 大西 峻, 山田 耕嗣,山田 和歌, 桝屋 隆太, 川野 孝文, 中目 和彦, 向井 基, 池江 隆正, 松藤 凡, 家入 里志
-
Journal Title
小児外科
Volume: 50
Pages: 1089-1093
Peer Reviewed
-
[Presentation] Left Thoracoscopic Approach for a Bronchogenic Cyst Originating from the Lower Esophagus2018
Author(s)
Yano K, Kawano T, Nonaka Y, Onishi S, Kawano M, Yamada K, Yamada W, Masuya R,Machigashira S, Nakame K, Mukai M, Kaji T, Ieiri S
Organizer
IPEG
Int'l Joint Research
-
[Presentation] Left Thoracoscopic Approach for a Bronchogenic Cyst Originating from the Lower Esophagus2018
Author(s)
Yano K, Kawano T, Nonaka Y, Onishi S, Kawano M, Yamada K, Yamada W, Masuya R,Machigashira S, Nakame K, Mukai M, Kaji T, Ieiri S
Organizer
PAPS
Int'l Joint Research
-
[Presentation] 重症心身障がい児(者)に対する安全な胃瘻造設術の工夫2018
Author(s)
矢野 圭輔, 町頭 成郎, 加治 建, 川野 正人, 大西 峻, 山田 耕嗣, 山田 和歌, 桝屋 隆太,川野 孝文, 中目 和彦, 向井 基, 家入 里志
Organizer
PSJM
-
[Presentation] 小児膵腫瘍の7例2018
Author(s)
矢野 圭輔, 川野 孝文, 川野 正人, 大西 峻, 山田 耕嗣, 山田 和歌, 桝屋 隆太,町頭 成郎, 中目 和彦, 向井 基, 加治 建, 家入 里志
Organizer
日本小児外科学会学術集会