2019 Fiscal Year Research-status Report
Novel therapy for cancer using deep ultraviolet
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18K08673
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮田 一志 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90752759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梛野 正人 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20237564)
江畑 智希 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (60362258)
國料 俊男 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378023)
山口 淳平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00566987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 深紫外線LED / 細胞障害作用 / 癌治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
【ヒト癌細胞株に対する深紫外線LEDの有効性の検討】 ヒト胆管癌由来細胞株(HuCCT1)への未照射、紫外線A波(UVA)照射、深紫外線LEDによる深紫外線照射の3群において照射時間を0、5、10、30秒に変化させて細胞死と細胞形態の変化を検討した。これまでの癌細胞株同様にHuCCT1においても未照射、UVA照射においては細胞死を認めなかったが、深紫外線照射において照射時間に比例して細胞死は増強した。細胞形態においても、未照射、UVA照射においては経時的な細胞形態に変化を認めなかったが、深紫外線照射においては経時的に細胞死が増強した。またアポトーシス誘導能についてMuse Annexin V & Dead Cell kitを用いて検討した。その結果、HuCCT1においても深紫外線照射によりアポトーシス誘導が増強していた。 【深紫外線LEDの作用機序に関する基礎的研究】 ヒト膵癌由来細胞株に深紫外線照射を行ない、抗体アレイによる網羅的タンパク解析を行ない、深紫外線照射の作用機序に関連する遺伝子を同定した。ウェスタンブロッティング法にてCHK1の発現の亢進を認めた。またCHK1のシグナルの1つであるDNA修復遺伝子TLK1 (Tousled-like kinase 1)の発現を検討した。その結果、ウェスタンブロッティング法にて深紫外線照射によるTLK1の発現の亢進を認めた。 【深紫外線LEDとDNA修復遺伝子の関連性の検討】 DNA修復遺伝子TLK1を標的にしたTLK1 siRNAをヒト膵癌由来細胞株に導入し、TLK1の発現抑制後、深紫外線照射し、アポトーシス誘導能についてMuse Annexin V & Dead Cell kitを用いて検討した。TLK1発現抑制により、深紫外線照射のアポトーシス誘導能が増強していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト胆管癌由来細胞株(HuCCT1)での未照射、紫外線A波(UVA)照射、深紫外線LEDによる深紫外線照射の3群へ深紫外線LEDによる深紫外線照射によるアポトーシス誘導能を確認した。深紫外線照射によるCHK1、TLK1の発現の亢進を認めた。TLK1発現抑制による深紫外線照射のアポトーシス誘導能が増強を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
【深紫外線LEDとDNA修復遺伝子の関連性の検討】 DNA修復遺伝子TLK1 (Tousled-like kinase 1)を標的にしたTLK1 siRNAをヒト胆管癌由来細胞株、ヒト膵癌由来細胞株、ヒト大腸癌由来細胞株に導入し、TLK1の発現抑制後、深紫外線照射をする。照射後の細胞においてDNAアレイによる網羅的遺伝子解析により、TLK1による深紫外線照射のアポトーシス増強の作用機序を明らかにする。同定した遺伝子についてウェスタンブロッティング法、リアルタイムPCR法などで分子生物学的に検討する。 【担癌動物モデルにおける深紫外線LEDの有効性の検討】 ヒト胆管癌由来細胞株、ヒト膵癌由来細胞株より皮下発癌モデルを作製する。TLK1阻害剤の投与後、皮下発癌モデルの腫瘍に対して深紫外線LEDによる深紫外線の15分間照射の週1回照射群、週2回照射群、未照射群での経時的な腫瘍体積の変化を観察する。切除標本を用いた病理学的な検討およびTUNEL法によりアポトーシスの検討をする。担癌動物モデルの腫瘍への深紫外線LEDの複数回照射による抗腫瘍効果を検討する。 【担癌動物モデルにおける深紫外線LEDの有効性の検討】 ヒト膵癌由来細胞株より腹膜播種モデルを作製する。腹膜播種モデルの腹腔内に播種している癌細胞に対して深紫外線LEDにて照射し、48時間後および1週間後の腹腔内所見、腹水中腫瘍マーカーを検討する。また生存期間に関しても検討する。深紫外線LEDを照射した皮下発癌モデルの腫瘍の切除標本を用いた病理学的な検討およびTUNEL法によりアポトーシスを検討する。
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