2019 Fiscal Year Research-status Report
New therapeutic strategy in mouse acute aortic dissection induced by intravenously administrated human-Muse cells
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18K08723
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安達 理 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30375092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
秋山 正年 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80526450)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 急性大動脈解離Stanford B |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目である2019年度はStanford B型急性大動脈解離モデルマウスをSCIDマウスで作成し、Muse細胞を投与し治療効果を確認することを目的としていたが、解離の発症率が27匹中15匹 (55.6%)と低値であった (野生型マウスでは発症率100%)。原因として免疫抑制されたSCIDマウスでは解離発症に必要な炎症が起こりにくいことが考えられた。解離が発症しないと不必要な犠牲となるマウスが多くなるため、本実験のモデルは野生型マウスで作成する方針に変更した。モデルマウスに対し、Muse細胞2万個、5万個、8万個投与群 (各群n=5)を解離発症後8週目の解離血管径で比較したところ5万個投与群は2万個投与群と比較し有意に拡大抑制効果を認めたが、8万個投与群と比較し同等であったため、本実験のMuse細胞投与量は5万個に決定した。また、この群と同量のMuse細胞が含まれると想定される間葉系幹細胞 (MSC: Mesenchymal stem cell) 75万個投与群での治療効果も検討した。Sham群、Vehicle群、MSC75万個投与群、Muse細胞5万個投与群 (各群n=10)の解離血管を比較したところ、径 (mm) では解離発症8週後にMuse群がVehicle群と比較して有意に小さかった。径拡大率では解離発症4週後、8週後にMuse群がVehicle群、MSC群と比較し有意に小さく、8週後ではMSC群もVehicle群と比較して有意に小さかった。モデルマウスの解離発症後死亡率は73匹中33匹 (45.2%)と初年度のモデル作成時よりも高かったが、これは細胞投与時の溶媒容量負荷による血圧上昇、破裂率が上昇したためと考えられた。他にMuse細胞の局在評価として、GFPラベルMuse細胞をモデルマウスに投与し、Muse細胞が解離血管に集積していることを免疫染色にて確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であればSCIDマウスを用いたモデルにて実験を進める予定であったが、解離発症率が低いため野生型マウスを用いたモデルでの実験に変更した。そのため、SCIDマウスの解離発症検討に時間を割いた分だけ進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Muse細胞投与によりどういった機序で解離血管の保護・修復が行われているのかを検討していく。具体的にはMuse細胞の局在評価として、モデルマウスにGFPで蛍光ラベルしたMuse細胞を投与し、Muse細胞がどのような細胞に分化しているのかを免疫染色で検討する。またIVISによりMuse細胞が解離血管や他の障害されていない臓器に集積しているか否かをIn vivo、Ex vivoで評価する。解離血管の強度の評価として、解離血管のElastic fiber面積をElastica-masson染色により評価する。炎症抑制効果の評価として好中球の浸潤や炎症系サイトカインを免疫染色で評価する。可能であればMuse細胞投与群とMSC投与群の違いも検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が無いため記入しない。
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