2020 Fiscal Year Research-status Report
The drug screening for individuals of Marfan syndrome using the in vitro vascular cell model made from patient-derived iPS cells
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18K08772
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
大門 雅広 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (20388268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神吉 佐智子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40411350)
渡邊 房男 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (40183719) [Withdrawn]
友田 紀一郎 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50362843)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | iPS細胞 / Marfan症候群 / 平滑筋細胞 / 大動脈解離 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年期に致命的な大動脈解離や大動脈瘤破裂を発症するマルファン症候群と類縁結合織疾患において、現在のところ確実に生命予後を改善するのは解離発症前の人工血管置換手術のみである。患者(家系)ごとに発症様式が異なり、治療介入の時期と方法に関して苦慮する場合が多い。マルファン症候群の原因遺伝子FBN1は230kbからなる巨大な遺伝子で、変異は全エクソンにわたり、ナンセンス変異やフレームシフトによるアミノ酸の挿入・欠失や、システイン基の欠失や挿入を生じるミスセンス変異が報告されている。この遺伝子変異の多様さが患者ごとに発症様式が異なる原因であると考えられる。そこで本研究では、FBN1遺伝子変異を有するマルファン症候群患者の末梢血単核球細胞からiPS細胞を経由して誘導した血管平滑筋細胞培養系を用い、マルファン症候群の大動脈でみられる病態を再現し(血管細胞モデル)、既知の化合物ライブラリーのスクリーニングを行うことで、各患者の大動脈脆弱性発症機作の詳細な解析とオーダーメイド治療標的の同定を行う。 大阪医科大学研究倫理委員会(ゲノム)で遺伝子解析研究とiPS細胞樹立の承認を得、同意の得られた患者から末梢血を採取し、本学で確立された方法を用いてiPS細胞を樹立した。20継代まで維持後に、11クローンのうち5クローンをピックアップして心筋細胞分化と平滑筋細胞分化を行った。分化プロトコールの確立に時間を要したが、論文で示されている3経路で平滑筋分化ができるようになった。他の患者の末梢血からiPS樹立を試みたところ、臨床上重篤な遺伝子変異を有する家系員からのiPS細胞樹立は困難であった。今後、複数患者のiPS細胞で分化平滑筋を用いた細胞機能の評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iPS細胞樹立と分化までに時間を要するため、予定していたスピードで研究を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度確立したプロトコールに則って、複数患者のiPS細胞で平滑筋分化を行い、細胞機能の評価を行う。評価方法についても、最適化を要するため時間はかかるが、iPS細胞研究共通の問題であるため、国内外の研究施設と意見交換をしながら、研究をできる限り早く推進する。
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Causes of Carryover |
予定していた実験が完了しなかったため次年度繰越金が発生した。次年度も引き続き、患者由来iPS細胞を樹立し平滑筋細胞分化を行う。
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