2018 Fiscal Year Research-status Report
非小細胞肺癌の発生、進行におけるERβとGPER1/GPR30の働きの解明
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18K08789
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
池田 公英 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20448525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 健治 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70363538)
鈴木 実 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (80312940)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016/1/1から2016年12月までの114例の非小細胞癌症例においてGPERおよびESR2の発現をrealtime-PCR法で定量した。まず、正常肺と腫瘍部の発現を比較すると、GPERは正常部で有意に発現が高値であった(P<0.001). ESR2も正常肺で高値(P=0.01). 腫瘍部、正常部とも発現に男女差はなし。年齢で60歳超の群では有意に正常肺のESR2の発現が高値であった(P<0.001)。喫煙ではBI200以上の群で腫瘍部のGPERの発現が低値(P=0.02)。組織型では腫瘍部のGPERが腺癌群で高値(P=0.004), 正常部のESR2が腺癌群で高値(P=0.05) であった。予後は無再発生存期間でGPERのREの閾値を60.8とすると、発現低値群で有意に予後不良であった(P=0.001).ESR2でも閾値を30とすると低値群が有意に予後不良であった(P=0.015)。 以上の結果をまとめると以下のようになった。①腫瘍部では正常部よりGPER、ESR2の発現が低下しており、エストロゲンからのシグナルが入りにくくなっている。②このような傾向は喫煙者、非腺癌群で顕著である。③GPER, ESR2の発現低下は非小細胞癌における予後不良因子となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在のところ学会発表や論文執筆には至っていない。今後DATAの集積を加え、論文化を目標とする。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究結果において、GPER, ESR2は腫瘍部において発現が低下しており、この発現の低下は腫瘍抑制的に働いていることが予測された。今後はこれらの発現抑制がおきている機序についてメチル化や遺伝子変異などを中心に解析していきたい。
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Causes of Carryover |
実験助手の雇用ができなかったので、次年度に雇用し、研究を進行させたい。
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