2021 Fiscal Year Research-status Report
CAGE発現解析を用いた大腸がん肺転移予測マーカーの特定
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18K08798
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
柳沼 行宏 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (60338415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 博光 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (30348982)
茂櫛 薫 順天堂大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (60569292)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸がん / 肺転移 / 腫瘍マーカー / 転移予測マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌をはじめとする癌の鋭敏な新規マーカー開発、分子標的治療の可能性を探り研究を進めてきた。大腸癌の転移はリンパ節のほか、肝、肺に多く見られる。大腸癌は転移巣に対しても、早期発見と積極的な治療選択によって患者の平均余命の向上が期待できるが、現状では転移に焦点を絞り転移を鋭敏に検出する「転移マーカー」は存在しない。このような事情から、転移を予測可能な、あるいは早期に発見するために有効な「転移マーカー」の開発を目指してきた。 我々はCAGE(Cap Analysis of Gene Expression)法を適用し大腸癌の転移有り・転移無しの症例サンプル間での比較解析を行った。これにより抽出した候補遺伝子群から、転移特異的な発現動態を示す遺伝子を探索しグループ分けした。次に大腸がんの転移マーカー、肺転移マーカーを特定すること目指し、癌部組織および採血検体を用いその遺伝子発現を解析した。さらに特異的な発現昂進または抑制を示す遺伝子を探索し、複数の新規な血中マーカー候補遺伝子を選び出した。この候補遺伝子の一部についてはすでに個別マーカー・検出マーカーとしての実用可能性を検討し、さらに転移症例での発現解析の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大による影響によって、研究過程の様々な局面で支障が生じている。本研究では、すでに患者から採取し保管してあるサンプルを用い、肺転移を起こした大腸がん原発巣の転移有り群と転移無し群の遺伝子の比較解析を行い、すでに一定の結果を得ている。しかしながら研究計画の遅れを完全に取り戻すには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
複数のマーカー候補遺伝子群について、患者の臨床データを解析、候補遺伝子の絞り込みを行っている。さらに転移巣の解析を行うことによって、肺転移マーカー候補を選別し肺転移マーカーを特定する。また患者個別の遺伝子変異から選抜したマーカー候補の有用性の検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の状況下、予定していたアルバイトを雇わず、研究代表者・分担者によって作業を行ったこと、一部の研究計画を次年度以降に繰り越したことから次年度使用分が発生した。これは次年度研究における試薬・器具などの購入などに当てる予定である。
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Research Products
(3 results)