2019 Fiscal Year Research-status Report
てんかん原因遺伝子の網羅的解析および心電図の診断有用性の検討
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18K08900
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藍 智彦 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (00570128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 周介 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (20362072)
赤松 和土 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60338184)
田部 陽子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (70306968)
三井田 孝 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80260545)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | てんかん / けいれん / 心電図 / 遺伝子 / 性差 / 症候性 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:本研究は、(1)てんかん患者に於いて、心電図変化が、発作の予後規定因子として使用できるかを検討する事、(2)てんかん関連遺伝子の網羅的検索を行う事を目的としている。 研究成果:現在までに、66名のけいれん発作患者の心電図を検討した。平均年齢は56.2歳 (男性46名、女性20名)、17例はCT、既往歴とも明らかな器質的脳疾患無く、6例がてんかんの既往あり、43例に脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、外傷等の既往歴があった。心電図の検討では、CT上器質的脳疾患の無い女性では、平均QTc時間は423.3msと正常範囲で、1名に陰性T波認めた。男性では、平均QTc時間は462.9 msと正常上限より約20 ms延長し、3名で異常T波を認めた。器質的脳疾患の有る女性では、平均QTc時間は472.2 msと正常上限より約10ms延長し、2名にT波異常認めた。男性では平均QTc時間は 460.3 msと正常上限より約20ms延長し、3名でT波異常を認めた。CT上脳器質疾患を認めない初回けいれん発作6症例中で遺伝子検査を行った、現在までに1名で未報告の遺伝子変異が認められた。また、共同研究施設に於いて、DEPDC5等、神経構造異常を来す遺伝子変異が検出されている。従来の報告では、器質的疾患を有さない特発性てんかん患者では心電図上QT時間が若干延長する、ST部分の上昇がみられる等の異常が報告がされている。現在までの本研究での解析では、器質的脳疾患を有さない患者群では、心電図変化に性差がある事、器質的疾患を有する患者群でよりQT時間が延長する事が示された。今後、さらなる症例の蓄積と、遺伝子検査の継続、ヒトiPS細胞を使用した機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子検査を行える、けいれん患者数が従来より少なく、症例数の蓄積が充分でなかった。また、2020年に入りコロナ感染症に関する騒動で研究に参加できる人員が確保できず、2月頃より研究が一時停止している。現在、臨床研究機関(東京医科歯科大学病院)で、新規救急患者受け入れが停止され、患者リクルートが停止している。順天堂大学では、iPS細胞を使用した研究が全面停止となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染症騒動による研究停止が解除されるのを待つしかないと考える。
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Causes of Carryover |
患者リクルート数が少なかった為、2020年度に研究再開され次第、患者リクルートに努める。
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Research Products
(3 results)