2018 Fiscal Year Research-status Report
iPSを用いた難病Moyamoya病に対する慢性炎症の関与に関する基礎研究
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18K08931
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
穂刈 正昭 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (30622807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川堀 真人 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (50399870)
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
寳金 清博 北海道大学, 大学病院, 教授 (90229146)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | moyamoya病 / RNF213 / ピロリ菌感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の進捗は以下のとおりである ①モヤモヤ病小児患者からの血液サンプル取得:モヤモヤ病小児患者35名から同意の元、血液サンプルを取得している。サンプルの白血球と血漿を分離後保存し北大病院Biobankにて保管している。これらを以降の実験に使用している。②ピロリ抗体、CagA抗体の検討:ELISA法(ピロリ:Eプレート“栄検”H.ピロリ抗体II、CagA:Human helicobactoer pyloricytotoxin-associated gene A protein IgGキット)で上記35名の感染既往を評価した。③遺伝子型の確認:上記35名および追加の2名においてRNF213の遺伝子多型を確認するためにDNA抽出、サンガー法によるGenotypingを行った。④研究期間中に手術治療を行った患者においては浅側頭動脈の採取を行った。 結果、35名中1名のみがピロリ抗体陽性で、他は陰性であった。ただこの患者はCagA抗体陰性であった。また1名ピロリ抗体陰性であったがCagA抗体陽性となった。遺伝子検索では、RNF213 正常GGが13名、変異型AGが23名、変異型AAは1名のみであった。STAはHE染色が終了し今後特殊染色に進む方針である これらの結果からモヤモヤ病発症にピロリ菌感染およびピロリ菌によるCagA産生が強く関わっているという仮説は否定される傾向が認められた。しかし今後も当初の研究計画に則り血漿内エクソソームの解析と浅側頭動脈の変性についての研究を進める。これらは今まで研究されていない分野で有り本研究が新たな病態解明に繋がると推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定している検体の採取は終わり、ELISA法でピロリ菌抗体およびCagA抗体の検索および遺伝子変異のGenotypingが終了しているため
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Strategy for Future Research Activity |
結果が当初予想されているよりもピロリ菌およびCagA抗体陽性患者が少なかった。これに対しては当初の予定通り、エクソソームの抽出を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定通り研究を遂行するため。エクソソーム抽出にかかる費用を算定。
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