2020 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between Chronic inflammation and progression of Moyamoya disease
Project/Area Number |
18K08931
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
穂刈 正昭 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (30622807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川堀 真人 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (50399870)
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
寳金 清博 北海道大学, 保健科学研究院, 特任教授 (90229146)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | moyamoya病 / 遺伝子多型 / 浅側頭動脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年の検討に続き、モヤモヤ病患者における浅側頭動脈の構造変化と遺伝子多型についての検討を進めた。昨年の少人数での検討においては①弾性板と膠原繊維でAG>GGが認められたため、追加で8例の症例の検討を行ったがこの傾向は確認されなかった。我々の仮説である遺伝子変異は浅側頭動脈の血管構造に影響を与えているという事は否定される結果であった。 その後追加で、遺伝子多型と手術後のバイパス血管の発達を確認した。遺伝子多型RNF213を有する患者21例と有さない患者7例を用いて術後のバイパス血管の発達を検討した。MRAのsource imageを用いて術直前と術後6-12ヶ月後の浅側頭動脈(STA)、深側頭動脈(DTA)、中硬膜動脈(MMA)、脳底動脈(BA)の直径を測定し血管径拡大率(Caliber change ratios; CCR)を計算した。これと対象患者のRNF213の遺伝子多型をサンガー法にて検出し変異有群(AA/AG)と変異無群(GG)に分けて関係を検討した。28例47側(AA:2例3側、AG:19例32側、GG:7例12側)を検討したところ、DTAは変異有群(2.5 + 0.1)が変異無群(2.0 + 0.2)に比較し有意に拡大し(p=0.03)、一方でSTAは変異無群(1.6 + 0.1)が変異有群(1.3 + 0.6)に比較し有意に拡大していた(p=0.02)。MMAとBAは両群で変化を認めなかった。遺伝子多型RNF213は病態の発生や進行に関与している事が知られていたが、バイパス術後の血行発達にも影響を与えている事が示された。その機序として変異有群において間接血行がより発達したことで、代償的に直接血行は少なくなっている可能性が考えられた。
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