2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular biological approaches in the treatment of ASIC1a locomotive syndrome.
Project/Area Number |
18K09039
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐久間 英輔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (90295585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 孝俊 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60317328)
井上 浩一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (80345818)
和田 郁雄 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 名誉教授 (70182970)
若林 健二郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20418867)
河 命守 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (50791141)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小脳 / 酸感受性イオンチャンネル / ラット / 細胞移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸感受性イオンチャンネル; Acid-sensing ion channel (ASIC)は次世代型鎮痛剤の作用の受容体等として世界的に注目を集めている。脳や脊髄には、ASIC1aとASIC2aのサブタイプが発現し、シナプス小胞から放出された水素イオンを受容し神経伝達を増強すると考えられている。我々は、ロコモティブシンドローム・サルコペニアとともに所謂フレイルの状態に強く関与していると考えられる小脳機能についての研究も並行して行ってきた。そこで、平衡感覚に強く関与している場所として、ASICのラット小脳内における生後発現について実験した。ASIC1aに関しては、全部の日齢を通して小脳全体に局在が認められた。一方、ASIC2aに関しては、胎生15日から出生後5日までは小脳全体が染まりその濃度が徐々に濃くなっていた。出生後6日から7日にかけてはプルキンエ細胞に集中して局在が認められるが、出生後8日にはプルキンエ細胞は全く染色されなくなった。出生後10日からはバスケット細胞と深部の顆粒細胞のみに集中して染色が認められようになり、これは2歳齢の場合も同じであった。 考察および結論としては、ASIC2aの発現は、小脳形成期における顆粒細胞の小脳皮質外層から内層への移動に一致した状態でその発現が移動していくのが確認できた。ASIC1aは全日齢を通して小脳全体に発現していた。その事から、ASIC2aは出生後の小脳神経回路の構築の際に細胞移動が生じる場合にシナプスでの神経伝達の増強に関与しており、ASIC1aは常にシナプスでの神経伝達の基本になって維持されている事が示唆された。以上の結果については、第34回日本整形外科学会基礎学術集会と第5回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会にて発表した。さらに、共同研究したASIC2aのトランスジェニックラットの小脳変性について、Biochem Biophys Res Communに投稿しアクセプトされた。
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