2019 Fiscal Year Research-status Report
OSTNが仲介する骨膜依存的な海綿骨形成機構の解明
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18K09050
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
高野 晴子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (40532891)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨膜 / 骨形成 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
OSTNは骨膜分泌性因子であるが、OSTN-KOマウスに認める海綿骨量異常は骨膜の異常のみで説明できない。そこで本研究においては、1)細胞性経路と2)血行性経路に着目し、骨膜-海綿骨クロストークについて検証する。 前年度は骨膜由来間葉系細胞から骨芽細胞への分化機構について、OSTN-NPR3-CNP経路の果たす役割について解析した。上記の成果については論文に纏め上げ、現在revise対応中である。一方、解析の途中で骨膜のskeletal stem cellが発見され、上記lineageをターゲットにしてgeneticな解析が可能になった [Nature, 562, 133-139 (2018)]。そこで、今年度はCtsk-Creマウスを新たに導入して、conditional KOの作成を行っている。本計画を遂行するために以下の解析を行った。 1)Ctsk-Cre lineage細胞においてOSTNが発現しているかを明らかにするために、Ctsk-CreマウスとROSA-Lox-STOP-Lox-YFPマウスとの交配により、Ctsk-Cre lineage細胞をYFPにてラベルした。骨膜から細胞を採取し、YFP陽性細胞と陰性細胞とに分離し、これらの細胞集団にてOSTNの発現をRT-PCRにより解析した。既報の通り、およそ50%以上の細胞がCtsk系列であることを確認した。また予想通り、OSTNはCtsk系列細胞に発現していることを明らかにした。 2)さらにCtsk-linegae細胞にて特異的にOSTNを欠損させるために、Floxedマウスを作成し、Ctsk-Creマウスと交配させている。移転と新型コロナウィルスの影響により、交配の計画は遅延しているが、来年度には解析を予定している。マウスを作成後、海綿骨量をマイクロCTにて詳細に解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全身性KOマウスの表現型やシグナル機構については論文に纏め、現在reviseが順調に進んでいる。Ctsk-lineage細胞が発見されたことにより計画が変更になっているが、予想通りの結果が出ており、またFloxedマウスとの交配も順調に進んでいるため、本質的な実験結果が近々得られると予想できる。
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Strategy for Future Research Activity |
骨膜系列細胞にてOSTNを特異的に欠損させるために、マウスを作成中である。移転と新型コロナウィルスの影響により、交配の計画は遅延しているが、来年度には海綿骨量をマイクロCTにて詳細に解析する予定である。
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Causes of Carryover |
建物移転と新型コロナウィルスの騒動により、実験の遅延があったため。
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