2019 Fiscal Year Research-status Report
注入型局所硬化ゲルを用いた幹細胞・成長因子送達による新規難治性骨折治療法の開発
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18K09079
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 治 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00209537)
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50424172)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 局所硬化ゲル / ヒアルロン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
移植型、局所投与型骨形成促進剤の利点を併せ持つ新規骨形成促進材料を開発すべく検討を行った。昨年度までにデキストラン(Dex)を主骨格とする局所硬化ゲル(Dexゲル)にbFGFを含有させることでマウス骨折モデルにおける骨形成を促進できることを示した。しかし、難治性骨折モデルに対する効果は十分ではなかった。本年度はヒアルロン酸(HA)を主骨格とする局所硬化ゲルとBMP2の併用による骨形成促進効果を検討した。マウス難治性骨折モデルを作製後、骨折群(control群)、局所硬化ヒアルロン酸ゲル投与群(HA群)、BMP-2含有局所硬化ヒアルロン酸ゲル投与群(HA+BMP-2群)を作成した。骨折後4週で屠殺して大腿骨を採取後micro CTを撮影し、骨折部における新生骨量(BV)、骨塩量(BMC)を測定した。また、骨折部の骨癒合率を評価した。また、新生仮骨を採取し、real time PCR法にてalkaline phosphatase、osterix、osteocalcinの発現量を検討したほか、組織学的にも評価した。control群、HA群と比較し、HA+BMP-2群で4週におけるBV、BMCの高値を認めた。HA+BMP-2群では、micro CT画像および組織切片標本において新生仮骨による骨折部の架橋を認め、骨癒合率も有意に高かった。新生仮骨におけるアルカリホスファターゼ、オステリックス、オステオカルシンの発現量もHA+BMP-2群で有意に高かった。BMP-2含有局所硬化ヒアルロン酸ゲル剤は、難治性骨折モデルにおいて骨癒合を促進することが可能であった。本方法はBMP-2の局所送達による新規難治性骨折治療法として有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BMP-2含有局所硬化ゲルの有用性を難治性骨折モデルを用いて実証できており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
間葉系幹細胞との併用による相加相乗効果を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
ヒアルロン酸ゲルの調整に時間を要したため、難治性骨折モデル作製の遅れが生じた。次年度のモデル作製費用に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)