2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new therapeutic agent for osteosarcoma using the natural organic compound decursin
Project/Area Number |
18K09115
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
白井 寿治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20397186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 真嗣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
寺内 竜 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20575154)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | デカルシン / シスプラチン / 増感効果 / 腎保護効果 / 細胞周期 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
骨肉腫は、小児に好発する骨原発性悪性腫瘍である。治療には複数の抗がん剤を大量に投与するため、副作用も必発する。近年、既存の抗がん剤の薬理作用を増強させる薬剤の研究が注目されており、その効果が認められれば既存の抗がん剤治療成績を越える治療法の確立や、既存の抗がん剤の副作用を軽減することが期待できる。その中でわれわれは、抗がん剤の副作用軽減につながる腎保護作用を有する天然有機化合物のデカルシンに着目した。本研究の目的は、骨肉腫に対するデカルシンの抗腫瘍効果と抗がん剤増感効果および腎保護作用を検証した。 デカルシンは単剤で濃度依存性に骨肉腫細胞の増殖を抑制した。また、細胞周期へ作用してG0/G1 arrestを起こし、アポトーシスを誘導した。そして、Akt-NF-kBーCox2経路に作用して細胞増殖抑制も行い抗腫瘍効果を認めた。 デカルシンはシスプラチンと併用することで増感効果を認めた。また、アポトーシスを起こした細胞数は併用することで増加し、Akt-NF-kB-Cox2経路へより強く作用した。 In vivoでは、デカルシン単剤でも腫瘍の増大を抑制し、シスプラチンを併用することでさらに抑制した。デカルシンをシスプラチンに加えることで、シスプラチンを減量してもしスプラチン単剤と同程度の抗腫瘍効果を認めた。そして、腎障害をきたすシスプラチンの濃度にデカルシンを加えることで腎保護作用により腎臓の機能低下を防ぐことができた。
|