2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a new animal model for nocturnal polyuria and elucidation of the mechanisms of bladder hypersensitivity induced by salt loading
Project/Area Number |
18K09165
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹澤 健太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90648015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 寛 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70403053)
上田 倫央 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (40759528)
福原 慎一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20609870)
稲垣 裕介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80804400)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 夜間多尿 |
Outline of Annual Research Achievements |
夜間頻尿はもっとも頻度が高く、QOLを低下させる下部尿路症状である。夜間頻尿の原因の多くは夜間多尿である。夜間多尿は病態が不明で治療方法も確立されていない。夜間多尿の既存治療の効果はそれほど高くなく、夜間多尿の病態解明、治療法開発が望まれている。本研究では夜間多尿動物モデルを確立し、その病態を解明することで夜間多尿の新規治療ターゲットを探索することを目的とした。 まず夜間多尿モデル動物の確立を試みた。夜間多尿の病態解明、治療法開発にはモデル動物による基礎研究が欠かせないが、ヒトの夜間多尿を模したモデル動物はまだ確立されていない。下部尿路症状で通院中の患者の塩分排泄量、血圧、夜間尿量の関連の検討から、高血圧を有する症例では塩分摂取量が増加すると夜間尿量が増加するが、高血圧の無い症例では塩分摂取量と夜間尿量の関連しないことを見出し、高血圧と塩分負荷により夜間多尿モデル動物を確立できるのではないかと考えた。最終的にある高血圧モデルに塩分負荷を行うと夜間多尿となることを見出し、新規夜間多尿モデルマウスの確立に成功した。 この新規夜間多尿モデルマウスを用いて夜間多尿の病態解明を目指した。まず尿中塩分排泄の日内変動を検討し、夜間多尿モデルマウスではヒトの昼間にあたる活動期の尿中Na排泄量が減少し、ヒトの夜間にあたる非活動期の尿中Na排泄量が増加していた。次に尿中Na排泄の制御に関与する腎遠位尿細管におけるNCCの活性化を検討した。夜間多尿モデルマウスでは活動期の腎NCCが過剰活性化していることが分かった。さらにNCCの上流のSPAKも過剰活性化していることが分かった。以上から、本モデルマウスの夜間多尿の病態は、活動期の腎遠位尿細管のSPAK-NCC経路の過剰活性化による尿中Na排泄の低下であると考えられた。この腎遠位尿細管のSPAK-NCC経路は夜間多尿の有望な治療ターゲットと考えられる。
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