2019 Fiscal Year Research-status Report
リキッドバイオプシーを用いた卵巣癌の術前組織診断法と卵巣癌予測診断法の開発
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18K09308
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 建 京都大学, 医学研究科, 講師 (20378772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 長 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60508240)
万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 教授 (80283597)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リキッドバイオプシー / 卵巣明細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
まずはリッキドバイオプシーで検討する前に卵巣癌、特に卵巣明細胞癌の腫瘍組織における遺伝子多型や発現を検討することとした。41例の卵巣明細胞癌と14例の卵巣高異型度漿液性癌のRNAシークエンスを行った。RNAシークエンスの解析パイプラインは多々あるため、その違いを検証した。パイプラインごとに大きな違いはないが、3つのパイプラインに共通した遺伝子は少なく、2つのパイプラインに共通した遺伝子をもって有意と判断した。明細胞癌は1期であると予後良好であるが、3期以上は予後不良であるため、1期と3期以上とで異なる遺伝子発現を検討した。進行期ではEMTや低酸素の遺伝子が高発現しており、I期では酸化的リン酸化に関わる遺伝子が低発現であった。我々の研究では、EMTは予後不良と関連し、酸化的リン酸化が予後良好と関わることが示唆されていたため、この結果は合致している。1期と3期以上とで異なる遺伝子を検討するために2つのプラットフォームで解析し、進行期では107遺伝子が高発現、35遺伝子が低発現していた。これらの遺伝子群においてもEMTに関わる遺伝子が多く含まれていた。これらの遺伝子群を用いてスコア化すると、スコアが高い症例は予後不良であった。これらの結果を公開された発現マイクロアレイデータやRNAシークエンスのデータを用いて再現性を確認したが、データセットによっては異なる結果となった。RNAシークエンスの方法や解析パイプラインが関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織のRNAシークエンス提出が遅れた。また、明細胞癌では遺伝子発現の差が小さいため、症例による差を同定することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子多型の解析を行い、明細胞癌のみならず卵巣癌における遺伝子多型の特徴を同定する予定である。
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Causes of Carryover |
RNAシークエンスを行った。エクソームシークエンスを行い、腫瘍組織のデータから有望なバイオマーカーを検討する必要がある。次年度は血液のリキッドバイオプシーからのDNA同定を試みる。また、単一のSNPsのみならず、SNPsの変化の傾向をしめしたMutational signatureなどにも着目する必要があると考える。
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Research Products
(1 results)