2020 Fiscal Year Research-status Report
低酸素・低体温刺激による生体内在性聴覚/嗅覚障害予防機構の活性化
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18K09341
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 弥生 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (00452350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 周 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00555865)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内耳 / 嗅覚 / 神経保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレス(タンパク制限)の嗅覚・蝸牛に対する影響(10ヶ月実験)を論文化し発表した(文献1)。具体的には、8週齢のC57BL/6マウスを通常食で2ヶ月維持したのち、カロリーは同一(353.6~353.8kcal/100g)のコントロール食群と30%タンパク制限食群(PR群)とに分け、10ヶ月経過後の蝸牛、嗅上皮、嗅球での 免疫組織学的所見、幹細胞・遺伝子分布を比較検討した。 10ヶ月経過後、PR群ではコントロール群に比べ蝸牛内・外有毛細胞の減少が有意に抑制されていた。この所見は特に蝸牛の基底回転において認められ、タンパク制限食が加齢に伴う内耳有毛細胞障害を抑制する効果があることが明らかになった。 しかしながら嗅上皮(Zone 1)では、嗅細胞数ならびに成熟嗅細胞数が有意に減少しており、抗酸化物質であるNQO1 (NADPH quinone oxido-reductase 1) の増加・細胞死の誘導が認められ、以上より嗅覚系においてはタンパク制限は負の効果をもたらすことが明らかになった。
Brainbowマウスに関する研究は、新型コロナウイルス感染症対策のため動物実験施設が閉鎖された影響により中断となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Brainbowマウスに関する研究は、新型コロナウイルス感染症対策のため動物実験施設が閉鎖された影響により中断となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに明らかになっている1) thy1-Brainbow3.2 Tgマウスの成長が遅い問題に対して、出産直後のgenotypingを行いTgマウスの隔離を行う、経産ICRマウス を用いた仮親を導入する、などにて安定した供給を試みる。また、2) 内耳へのCreの導入率・GFP発現に差がある問題に関しては、蝸牛神経特異的Cre発現マウス の作成を検討している。
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Causes of Carryover |
Brainbowマウスに関する研究が新型コロナウイルス感染症対策のため動物実験施設が閉鎖された影響により中断となったため。次年度には、現在までに明らかになっている1) thy1-Brainbow3.2 Tgマウスの成長が遅い問題に対して、出産直後のgenotypingを行いTgマウスの隔離を行う、経産ICRマウス を用いた仮親を導入する、などにて安定した供給を試みる。また、2) 内耳へのCreの導入率・GFP発現に差がある問題に関しては、蝸牛神経特異的Cre発現マウス の作成を検討している。
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Research Products
(4 results)