2019 Fiscal Year Research-status Report
下咽頭がんにおける新規Tumor initiating cellの治療応用
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18K09363
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
望月 麻衣 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 研究員 (40726303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 隆之 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (80408583)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CD271 / 扁平上皮癌 / 下咽頭癌 / 頭頸部癌 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまで、下咽頭がんの細胞増殖能はCD271(神経成長因子受容体)に機能的に依存しており、CD271陽性がん細胞によってCD271陰性がん細胞を含むヘテロな腫瘍組織が構築されることを明らかにしてきた。このことは、CD271機能を阻害することで、がん治療が可能になることを示唆する。申請者らはこのproof of conceptを得るために、以下の本研究計画を立案した。1.がん組織からCD271陽性がん細胞のみを除去することで、腫瘍全体の縮小効果が得られるかどうかを、遺伝子操作を用いて検証する。2.治療手段としてのCD271機能阻害抗体を作成し、腫瘍縮小効果の検討を行う。3.いまだ詳細が明らかでないCD271下流シグナルを探索し、より効果的・がん特異的な標的を明らかにすることを目的として研究を行っている。 本研究課題において申請者らは、CD271が下咽頭癌のみならず肺扁平上皮癌においても増殖・造腫瘍能・細胞遊走能を制御する機能分子であり、有望な治療標的となりえることを見出し、報告した。(Laboratory Investigation, 2019)これにより、CD271を標的とした治療の対象が他癌にも拡大できることが示唆された。また、申請者らは独自にヒト化抗CD271抗体を作成し、CD271陽性細胞を標的とすることで腫瘍縮小効果が得られることを示した。(Cancer Letter, 2019) 現在、申請者らは、肺扁平上皮癌も含めて、CD271を標的とした治療法の確立に向けて、ノックアウトマウスの解析(現在、発がん剤投与終了し経過観察中)および、CD271の機能ドメイン部位の特定とその下流経路の同定による新規治療標的の探索を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックアウトマウスの解析および細胞株での解析は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
下流経路の探索と、ノックアウトマウスの発がん後の解析を引き続き進めていく。
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Causes of Carryover |
計画は順調に推移しているが、マウスの交配・解析などを含め使用が次年度に持ち越されるため。
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Research Products
(6 results)