2019 Fiscal Year Research-status Report
唾液腺導管癌に対する個別化薬物治療に向けた治療効果予測因子についての探索的研究
Project/Area Number |
18K09386
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
多田 雄一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (70292430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 俊孝 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (90276709)
赤澤 宏平 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (10175771)
伏見 千宙 国際医療福祉大学, 大学病院, 講師 (20623531)
平井 秀明 東京医科大学, 医学部, 助教 (00770744)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 唾液腺導管癌 / 唾液腺癌 / HER2 / アンドロゲン受容体 / アンドロゲン遮断療法 / トラスツズマブ / 予後予測因子 / 治療効果予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
トラスツズマブ+ドセタキセル療法を施行したHER2陽性91例、ビカルタミド+リュープリン療法を施行したアンドロゲン受容体(AR)陽性99例について、各種臨床病理学的因子と予後との関連を解析し、その中間結果を2019年欧州臨床腫瘍学会議(European Society for Medical Oncology;ESMO Congress 2019、バルセロナ)にて報告した(抄録番号5753、5845)。 解析因子は、年齢、性、パフォーマンスステータス(PS)、前治療歴、内臓転移、mGPS、CRP、好中球リンパ球比(NLR)、リンパ球単球比、血小板リンパ球比、免疫組織化学染色(HER2、AR、Ki-67、CK5/6、p53、HER3、p-Akt、PI3K、FOXA1、adipophilin、mTOR、PTEN)、遺伝子変異(BRAF、PIK3CA、HRAS、AKT1、TP53)で、さらにHER2療法ではHER2/CEP17比、HER2遺伝子コピー数、AR療法ではテストステロン値も加えた。これらと、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)との関連を解析した。 この結果、抗HER2治療では、治療奏功(PR、CR)、PTEN(1+~3+)は有意にPFS、OS良好であった。高CRPは有意にPFS、OS不良であった。前治療あり、mTOR(1+~3+)は有意にPFS良好であった。PS(1、2)、内臓転移あり、mGPS(1以上)は有意にOS不良であった。抗AR治療では、女性、mGPS (1、2)、高NLR、高PLR、高Ki-67 が有意にPFS、OS不良であった。PTEN (3+)、高adipophilin (5%以上) は有意にPFS、OS良好であった。 今年度は、症例数を増やし、かつ、解析項目も追加し解析を続ける予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年計画した、2018年末までの間に、当科において施行した抗HER2治療91例、抗AR治療99例の解析を欧州臨床腫瘍学会議(European Society for Medical Oncology;ESMO Congress 2019、バルセロナ)に応募したところ、採択され、ポスター会場で発表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年末までの間に、抗HER2治療は91例、抗AR治療は99例に施行し、予備的解析を施行した際よりも2020年4月現在、症例数が増加している。解析対象症例数を増やしてより正確な統計解析を目指す予定である。 またラドバウド大学(オランダ)との共同研究を開始し、同大学での抗アンドロゲン療法の予後とアンドロゲン受容体経路の関連に関する研究にも協力しており、解析結果を共有する予定である。 解析結果については、途中解析結果として、今年度中に論文化を目指している。
|
Causes of Carryover |
2018年度繰越金を2019年度に使用したことによる。2019年度繰越金は、追加となる症例の研究で用いる抗体試薬の購入、英文論文の校正料金、投稿料金として使用する見込みである。
|
Research Products
(19 results)