2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K09495
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
河野 太郎 東海大学, 医学部, 准教授 (50297438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 孝太郎 東海大学, 医学部, 講師 (50366001)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超短パルスレーザー / 高速走査型スキャナー / 色素性疾患 / 抗加齢 / 母斑 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室はレーザーによる皮膚良性色素性疾患治療について研究を行っている。レーザーの発振にはレーザーを連続的に発振する連続発振と断続的に発振するパルス発振の2つの方法がある。皮膚良性色素性疾患領域で使用されているパルス発振レーザーは、さらに通常パルス発振と短パルス発振に分けられる。Qスイッチパルス発振はレーザー媒質中で反転分布を十分にためて、一気にレーザーを発振させる方法で、高いピークパワーを得ることができる。このパルス幅はナノ秒単位である。パルス幅がナノ秒よりも長くなると熱的作用が強く、それよりも短いと機械的作用が強くなる。皮膚良性色素性疾患治療に使用される短パルス発振(ナノ秒)ルビー、アレキサンドライト、YAGレーザーの生体作用は光機械的作用と光熱的作用の両方である。炎症が顕著で、術後の合併症も多い。短パルスレーザーの応用は、ナノ秒以上の時間領域で種々の治療で効果的に使用されてきたが、近年になりナノ秒以下の時間領域が注目されている。ピコ秒パルスは生体内の熱伝導を抑え、健常組織を保護するために、より選択性の優れた治療効果を発揮する。パルス幅を超短時間にする事で皮膚良性色素性疾患治療を格段に改善することが期待できる。本邦初のピコ秒パルス超高速走査型レーザー治療器の開発をおこなっている。 海外市販品のパルス幅は、300から750ピコ秒であるが、我々は現在、90ピコ秒のレーザーが発振可能となった。高フルーエンスの発振が現時点の問題であるが、照射口径を小さくすることで解決を図っている。また、小口径化に伴う照射面積の減少は、高速スキャナーを併用することで解決が可能であるため、現在、高速スキャナーを併用化した状態で、外傷性刺青モデルで実験を行い、色素の破壊を観察中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において、困難と予想されていた項目は、短パルス化と高出力化であった。高フルーエンス化において検討していた小口径化が、予定通り高出力発振が可能であった。 また、小口径化に伴う照射面積の減少は、高速スキャナーを併用することで理論的に解決が可能であったが、実験においても、高速スキャナーを併用化で十分な照射面積を得ることができたため、現時点においてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、高速スキャナーを併用化した状態で、外傷性刺青モデルで実験を行い、色素の破壊を観察中である。今後は、異なる照射口径、スキャナー密度、フルーエンスで、外傷性刺青モデルに照射を行い、効果的な設定を模索する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定より、高出力化が早期に開発できたため、それに伴う、物品の消耗が少なかったため。 色素の種類を増やした、実験を追加し、論文作成を1つ追加する。
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Research Products
(1 results)