2020 Fiscal Year Research-status Report
細胞担持ナノシートと蛍光遺伝子導入を用いた新しい脂肪由来幹細胞移植法の研究
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18K09501
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
青木 伸峰 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (70739797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清澤 智晴 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 形成外科, 教授 (90221217)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 教授 (10449069)
藤枝 俊宣 東京工業大学, 生命理工学院, 講師 (70538735)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 幹細胞 / ナノシート |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが開発したナノシートは、厚さが数十ナノメートルと細胞膜程度の極めて薄いポリ乳酸からなる生体吸収性のシートで、創傷治癒を促進し、接着剤なしに創面に強く密着する特性がある。一方、種々ある幹細胞の中で、脂肪由来幹細胞(以下ASC)は十分量の自家幹細胞が採取でき、移植に伴う培養過程を必要としない可能性のある幹細胞である。すでに潰瘍創面にASCをコラーゲン抹と共に播種しナノシートで被覆することで、生着させる事に成功している。ASCをナノシートでより効果的に難治性潰瘍モデルに移植することで、実臨床への導入を目指す。また、移植前にASCに発光遺伝子を導入することで、創面へ移植後のASCの挙動を可視的に観察することができた。これにより、ナノシートによる細胞移植法で従来に比して長期に亘り移植細胞を創面に生存させうることが示された。 GFP陽性ASCを用いた移植実験で、組織切片上でGFPに対して免疫染色を行うことで生着を確認できるが、生体イメージングカメラでは経時的に個々のGFP陽性移植細胞を観察できないことがわかった。周囲組織の発光がほほゼロと考えられる発光遺伝子導入ASCを用いることで、経時的なASCの挙動を観察しながら、創傷治癒促進効果を確認することが可能となった。 また、細胞培養過程を経ない細胞群を利用したナノシートによる細胞移植モデルの確立に成功し、得られたデータの評価を行っており、論文として投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在成果を論文投稿中である。また、他の細胞集団を用いた実験系を確立させ、成果を精査中である。
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Strategy for Future Research Activity |
期初の目的についてはほぼ達成できており、新たに着想を得たモデルについて基礎的データを収集中である。
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Causes of Carryover |
現在投稿論文について追加実験を行っているところであり、残額、繰越が発生した。
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