2018 Fiscal Year Research-status Report
神経堤由来細胞とiPS細胞による歯原性細胞不在のエナメル芽細胞と象牙芽細胞誘導法
Project/Area Number |
18K09511
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
須澤 徹夫 昭和大学, 歯学部, 講師 (60271285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / エナメル芽細胞 / 象牙芽細胞 / 神経堤由来細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では適応範囲の広い歯の再生医療実現に向けて、多能性幹細胞であるiPS細胞から歯原性細胞のサポート無しに歯原性上皮細胞と間葉細胞へ誘導する技法の開発を検討した。1)ヒトiPS細胞からEGFとFGF-2によってSox10など神経堤由来細胞へ誘導し、さらにBMP-2などを添加して歯原性間葉細胞誘導を検討した。BMP-2などを添加するこtによって、DSPP遺伝子の発現上昇が認められたことより、象牙芽細胞様細胞へと分化したことが考えられた。2)ヒトiPS細胞からレチノイン酸とBMP-4によってCK14などを発現するケラチノサイトへ誘導し、さらにFGF-8などを添加して歯原性上皮細胞誘導を検討した。FGF-8などを添加することによって、アメロゲニン遺伝子の発現上昇が認められたことより、エナメル芽細胞様細胞へと分化したことが考えられた。平成30年度の結果を基に次年度は、誘導した歯原性上皮と間葉細胞間の相互作用を応用した、エナメル芽細胞と象牙芽細胞へ分化誘導する基盤技術の開発を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定した単培養である、1)ヒトiPS細胞からEGFとFGF-2によって神経堤由来細胞へ誘導し、さらにBMP-2を添加して歯原性間葉細胞誘導を検討し、象牙芽細胞様細胞へ分化させることができた。2)ヒトiPS細胞からレチノイン酸とBMP-4によってケラチノサイトへ誘導し、さらにFGF-8などを添加して歯原性上皮細胞誘導を検討し、エナメル芽細胞様細胞へ分化させることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、前述した目的を達成するために、1)ヒトiPS細胞から神経堤由来細胞を経て、歯原性間葉細胞誘導を検討した。並行して、2)ヒトiPS細胞からケラチノサイトを経て、歯原性上皮細胞誘導を検討した。単独培養から得られた結果を基にして3)ヒトiPS細胞から誘導した歯原性上皮と間葉細胞を共存培養する。これらの結果から、上皮-間葉相互作用を応用したエナメル芽細胞と象牙芽細胞へ誘導する基盤技術を確立し、得られた結果を取りまとめ学会発表を行う。
|
Causes of Carryover |
細胞分化誘導後の遺伝子発現解析で、幾つか用いなかった試薬があった。前年度の残金は、用いなかった遺伝子発現解析用の試薬にあてる。
|