2019 Fiscal Year Research-status Report
Sr含有生体活性ガラスと硫酸カルシウムからなる試作セメントの歯内治療への応用
Project/Area Number |
18K09614
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
泉 利雄 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (40248547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸田 道人 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (40507802)
畠山 純子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50374947)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生体活性ガラス / ストロンチウム / 半水石膏 / 根尖孔破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.根尖孔の破壊;Wister系雄性ラット9週齢に全身麻酔を施し、ラット開口器を装着して実体顕微鏡下で左右上顎第一臼歯を露髄させ、咬合面歯質と冠部歯髄を除去した。近心根管のみ#10Kファイルで歯髄を取り出し、電気的に根管の長さを測定しつつ、約4mmの長さでNiTiロータリーファイルProTaper F1を用いて根尖孔の意図的破壊を行った。 2.セメント填入;試作セメント(Sr含有生体活性ガラスと半水石膏を重量比1:1で混和して作製した粉末)を水で練和したものを根管内に填入した。同様にMineral Trioxide Aggregate(以下MTA)、酸化亜鉛ユージノールセメントを各々根管に填入した。何も填入しないものを陰性対照とした。仮封は フロアブルタイプコンポジットレジンを使用し、実験期間を4週間とした。 3. 問題点;予備実験では、試作セメントはSrを含有しない生体活性ガラスと半水石膏を1:1で練和したものと同様に十分に硬化していたが、根管内では試作セメントの硬化がやや不十分なため、セメントが溶出して根尖部に空洞ができていた。 4.試作セメントの再作製;SiO2 53%、CaO 20% Na2O 23%、P2O5 4%の生体活性ガラスのCaOを全てSrOで置換して溶融法でSr含有生体活性ガラスを作製した。混和する半水石膏の比率を上げて、重量比1:1から3:7、1:4と上げてみたところ、重量比1:4で十分な硬化が認められたので、これを試作セメントの粉末とした。精製水とセメント粉末を混水比0.2で練和して泥状にした。この再試作セメントを用いて、根尖孔破壊後の治癒に対する影響を検索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.試作セメントの組成に誤りがあり十分硬化しなかったので、試作セメントを再作製する必要が生じた。 2.学内で所属場所が変更になり、引継ぎや引越し等で研究に割ける時間が少なくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.根尖孔破壊に対する封鎖材としての試作セメントの有効性の検討。MTA填入群、酸化亜鉛ユージノールセメント填入群および陰性対照としての無填入群との比較。実験期間は 4週間とする。 2.逆根管充填材としての応用。Wister系ラット10週齢雄性ラットの右側上顎切歯を抜歯し、内径1.0mm、外径1.67mm長さ3.0mmのポリエチレンチューブに試料を充填したものを抜歯窩に埋入する。試料として、試作セメント、MTA および酸化亜鉛ユージノールセメントを使用し陰性対照として空のチューブを用いる。実験期間は 4週間とする。
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Causes of Carryover |
1.試作セメントの組成を再度検討する必要が生じたため。 2.大学内の所属が変わり、業務引継ぎ、引越し等で研究時間を取られたため。
試作セメントの追加作製(セメント作製費)、Wister系雄性ラット9週齢、および 10週齢(購入費・飼育費) 実験用薬剤(麻酔薬、固定薬、アルコール、パラフィン等)購入 歯牙切削器具購入 ポリエチレンチューブ購入
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