2022 Fiscal Year Research-status Report
Sr含有生体活性ガラスと硫酸カルシウムからなる試作セメントの歯内治療への応用
Project/Area Number |
18K09614
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
泉 利雄 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (40248547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸田 道人 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (40507802)
畠山 純子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50374947)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生体活性ガラス / ストロンチウム / 半水石膏 / 根尖孔破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.試作セメントの再作製;SiO2 53%、CaO 20%、Na2O 23%、P2O 54%の生体活性ガラスのCaOを全てSrOで置換し溶融法でSr含有生体活性ガラスを作製した。2.セメントの混水比の検討;混水比を0.2としていたが普通石膏の混水比0.4~0.5を参考にして0.4としてセメント泥の流動性改善を図った。3.防湿法の検討;湊ら(2019)の論文を参考にして、ラット臼歯用クランプとラバーダムシートを上顎臼歯に用いる方法を試みたところ、クランプのサイズと臼歯のサイズが不適合でシート装着に至らなかった。従来の開口器の代わりに安田ら(2016)の論文によるラット口腔内実験用開口器を使用して開口状態を維持し実験中の防湿を行う事とした。4.根尖孔の破壊;Wister系雄性ラット9週齢に全身麻酔を施し、実体顕微鏡下で上顎左右第一臼歯を露髄させ、咬合面歯質と冠部歯髄を除去した。近心根管のみ#10Kファイルで歯髄を除去し、電気的に根管長を測定しつつ、約4mmの長さでNiTiロータリーファイルProTaperF1を用いて根尖孔の意図的破壊を行った。5.セメントの填入;試作セメント(Sr含有生体活性ガラスと半水石膏を質量比1:4で混和して作製した粉末)を滅菌精製水(混水比0.4)で練和し泥状にしたものを根管内へ填入した。同様にMineral Trioxide Aggregate(MTA)、酸化亜鉛ユージノールセメントを各々根管内へ填入した。何も填入しないものを陰性対照とした。仮封はフロアプルタイプコンポジットレジンを使用し、実験期間を4週間とした。4%Paraformaldehyde/PBSで灌流固定後24時間浸漬固定し上顎骨を取り出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.試作セメントの流動性に問題があり、混水比を調整する必要が生じた。試料を再作製することになった。 2.年度末に所属先が移転することになり、患者さんの他院への紹介や引越し準備に時間を取られた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.上顎骨に対しマイクロCT撮影を行い、セメントの充填状態および根尖部の骨吸収状態を確認する。 2.パラフィン切片を作製しHE染色、免疫組織化学的染色(DMP-1、nestin等)を行う。定量的に解析する。
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Causes of Carryover |
配属部署が大学から離れたところになり、頻繁に大学に行き実験を行うことが困難になった。コロナ禍の影響もあり、研究に割ける時間が極端に少なくなったが、少しずつ実験の準備・実施を行っていた。 年度末に再び勤務先の閉院・本学への移転があり、その引越し業務に時間を取られた。標本作製器材の購入(染色試薬・染色用抗体)・実験動物の購入・実験機材の購入に使用する予定である。
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