2019 Fiscal Year Research-status Report
A new method for diagnosis of oral dryness using salivary biomarker
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18K09669
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
水橋 史 (高橋史) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (60386266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梨田 智子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 非常勤講師 (10133464)
森田 貴雄 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20326549)
戸谷 収二 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (20287791)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Ca拮抗薬 / 薬物性口腔乾燥症 / プロテオーム解析 / 唾液バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,Ca拮抗薬服用者の口腔乾燥症を確実に診断するための唾液バイオマーカーを決定し,薬物性の口腔乾燥症の確定診断を行うことである。現在の超高齢社会において,口腔乾燥症の患者が増加しており,薬物性の口腔乾燥症の患者が多いが,高血圧症の治療薬であるCa拮抗薬服用者において,特に口腔乾燥症を呈する人が多い。そこで,Ca拮抗薬服用者の特徴を明らかにし,Ca拮抗薬による口腔乾燥症に特有の唾液バイオマーカーを決定することを目的としている。 令和元年度は,Ca拮抗薬による口腔乾燥症に特有の唾液バイオマーカーを決定するべく平成30年度に行った唾液中タンパク質のiTRAQプロテオーム解析の結果を分析した。iTRAQプロテオーム解析結果の分析を行ったところ,Ca拮抗薬服用者の口腔乾燥症に特徴的に増加あるいは減少している唾液タンパク質を抽出することができた。ここまでの研究成果を論文にまとめ,Ca拮抗薬服用者の口腔乾燥症の特徴と,唾液タンパク質の変化について公表した。 また,Ca拮抗薬服用者の口腔乾燥症において特徴的に変化している唾液タンパク質の抗体を購入し,Ca拮抗薬服用の口腔乾燥症患者10検体および内服薬のない健常高齢者10検体を被験体として,Western blottingによりCa拮抗薬服用者に特徴的なタンパク質の検出確認を行った。Western blottingを行った結果については,学会発表を予定している。さらに,令和元年度の研究成果について,論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
唾液中タンパク質のiTRAQプロテオーム解析の委託先を検討してからの解析となり,また,解析に時間を要するとのことで,平成30年度に解析結果は出なかったため,令和元年度に結果の分析を行い,論文で公表を行った。その後に,Western blottingによりCa拮抗薬服用者に特徴的なタンパク質の検出確認を行ったため,当初の研究計画よりも,Western blottingの開始が遅くなった。 令和元年度に予定していたリアルタイムPCRによる分析は,令和2年度に行うこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は,令和元年度の研究成果を論文にまとめる。また,リアルタイムPCRによるRNAレベルの測定と標的遺伝子の検出確認を行い,Ca拮抗薬服用の口腔乾燥症患者に特徴的な唾液バイオマーカーを確定すべく,研究を進めていく。 その後,当初の研究実施計画である唾液検査によるマーカーRNA,マーカーmicroRNA,あるいはマーカータンパク質のうち,どのマーカーが有用であるか検討を行う。そして,本研究で新たに開発した唾液バイオマーカーの検出量を測定することによる薬物性の口腔乾燥症の臨床診断を試みる。令和2年度の研究成果発表を行い,論文を作成する。
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Causes of Carryover |
令和元年度には,Western blotting 用試薬と電気泳動既製ゲルを使用したが,既存のものを使用した。また,検出したタンパク質の抗体を購入したが,次年度の請求となるため,令和元年度の経費を使用しなかった。 令和元年度に行う予定であったRT-PCRとリアルタイムPCR は,令和2年度に行うため,当初予定していたRNA 抽出キットと逆転写反応試薬,PCR 用試薬類とTaqManリアルタイムPCR 用試薬の購入をまだ行っていないため,令和2年度に経費を使用する計画である。また,令和2年度の論文投稿料にも経費が必要となる。
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Research Products
(18 results)