2020 Fiscal Year Research-status Report
大脳皮質拡延性抑制動物モデルを用いた、片頭痛随伴症状の悪心嘔吐発生機序の解明
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18K09766
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
工藤 千穂 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (20533110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 均 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30218250)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 片頭痛 / 大脳皮質拡延性抑制 / 悪心嘔吐 |
Outline of Annual Research Achievements |
片頭痛は反復性の激烈な頭痛発作を主症状とするだけでなく、光過敏や音過敏、アロディニアといった感覚症状や悪心嘔吐などの自律神経症状を特徴的な随伴症状とする複雑な疾患である。これら随伴症状のうち悪心嘔吐は片頭痛の急性期に発生し、その症状は激烈であり、片頭痛患者のQOLはさらに阻害される。片頭痛の発症メカニズムそのものが未だ十分確立されていないが、三叉神経血管系及び大脳皮質拡延性抑制(Cortical Spreading Depression, CSD)との関与が最も有力だといわれていることより、随伴症状の発生にもCSDが関わっている可能性が推測される。そこで、本研究では、片頭痛の特徴的な随伴症状の一つである悪心嘔吐に焦点をあて、片頭痛発症時における悪心嘔吐発生メカニズムについて、CSD動物モデルを用いて明らかにすることを目的とした。 今までの結果より、CSDは痛覚伝導路の一次中継核である三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)および上部頚髄(C1-2)だけでなく、悪心嘔吐中枢への伝達経路である延髄最後野(APS)および孤束核(NTS)も活性化させることが示唆された。この結果をもとに、今年度は制吐薬であるメトクロプラミド(ドパミンD2受容体拮抗薬)、グラニセトロン(5-HT3受容体拮抗薬)、アプレピタント(NK1受容体拮抗薬)を投与して、CSDにより活性化されたVcおよびC1-2、APおよびNTSがこれら各種受容体拮抗薬により影響を受けるかについて検討している。現在までのところ、VcおよびC1-2におけるc-Fos発現はメトクロプラミド投与で有意に減少したが、他の2種の拮抗薬では減少は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
各種受容体拮抗薬の投与方法、濃度などの条件設定に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、制吐薬である各種受容体拮抗薬がCSDによって活性化されたAPおよびNTSにどのような影響を及ぼすかについて比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
【理由】 テレワークなどで実験の進捗が遅れ、使用する動物数や薬品類、設備備品類が少なかったため。 【使用計画】 実験動物、物品購入に使用する予定である。
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