2018 Fiscal Year Research-status Report
可溶性TNF受容体を応用した歯周病診断ならびに治療戦略の検討
Project/Area Number |
18K09888
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20301442)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 聡子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70364156)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
村岡 宏祐 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (80382422)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 歯周病 / 口腔内細菌 / 歯周病原性細菌 / 口腔連鎖球菌 / 分泌型TNFレセプター / TNFα / ADAM17 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、口腔内における分泌型TNFレセプター(sTNF-R)の動態について、歯周病をはじめとした口腔疾患および全身疾患の状況、また口腔内細菌叢の違いといった因子との関連を検証し、口腔内のsTNF-Rが、口腔粘膜上のADAM17によって制御されているかどうか、最終的には口腔におけるその機能を明らかにした上で、sTNF-Rを応用した歯周病をはじめとした口腔における炎症性疾患の診断システムの開発に加えて、治療のための創薬の可能性を検討する。 今年度は,第一段階としてヒトの口腔内におけるsTNF-Rの動態について、唾液中と歯肉溝液中のsTNF-R1とsTNF-R2そしてTNF-αの蛋白レベルと口腔粘膜上のADMA17のmRNAレベルを調べ、歯周病をはじめとした口腔疾患および全身疾患の状況、また口腔内細菌叢の違いといった因子との関連の検証を行い,その中で本学附属病院の患者から採取した歯肉縁下プラークの歯周病原性細菌を含む口腔内細菌13菌種を定量的に評価して,歯周健康状態との関係を分析し,歯周病原性細菌のP. gingivalisを含むRed Complexの割合と歯周健康状態の悪化と,また口腔連鎖球菌の一種であるS.gordoniiは歯周健康の維持に関係していることが明らかとなり,学会(第11回日本総合歯科学会総会・学術大会,鹿児島)にて発表を行った。 その他の結果に関しては,現在,同様に患者から採取した唾液中の口腔内細菌と口腔健康状態との関係,歯肉溝液と唾液中のTNFαおよびsTNF-Rと口腔内細菌や口腔健康状態との関係について検証を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者から採取した歯肉溝液のELISAの測定が,試料の量が少なく,ターゲット蛋白質の濃度が低かったたため測定結果が得られず,患者からの試料の採取を含め,再試験の実施が必要であったため計画より遅れが出ている。そのため現在の進捗状況として(3)の評価とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,歯肉溝および唾液中のsTNF-RとTNFαの淡白レベルの発現量を検証し,口腔健康状態や口腔内細菌との関係を評価した上で,第二段階の計画である口腔健康状態の変化により第一段階で調べた要因が特に口腔内のsTNF-RとTNF~αの蛋白レベルとADAM17のmRNAレベルがどのように変化するか追跡して、口腔健康状態の悪化や改善がどのように関係しているかを検証していく予定である。
|
Causes of Carryover |
計画遂行にあたり,患者から採取した試料のターゲット蛋白質のELISAでの測定分析がうまくいかず,試料の再採取や予備的な実験が必要になり,予定通り計画が遂行できなかったため,次年度使用額がプラスとなった。今年度の残額は,今年度の計画未遂行分の支出で使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)