2018 Fiscal Year Research-status Report
筋輝度を用いた口腔周囲筋の加齢変化の解明と新たな摂食嚥下機能評価法の開発
Project/Area Number |
18K09891
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
石川 健太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (80453629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 健次 昭和大学, 歯学部, 准教授 (00245820)
村上 浩史 昭和大学, 歯学部, 助教 (30756739)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波診断装置 / 筋輝度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、健常成人ボランティア10名(男性5名,女性5名,平均年齢22.3±2.7歳)を対象として,BMI(Body mass index),SMI(Skeletal muscle mass index),咬筋厚さ(安静時,咬合時),筋輝度および最大咬合力の関連について評価を実施したとした。対象者には事前に研究内容の十分な説明を行い,同意を得た.BMI,SMIの測定には体成分分析装置(In Body S10,grobal health社製),咬筋厚,筋輝度の測定には超音波診断装置(Voluson E8,GE Healthcare社製) ,最大咬合力の測定にはDENTAL PRESCALE,富士写真フィルム社製),オクルーザー FPD-707,ジーシー社製)を用いた。統計学的検討は,最大咬合力を従属変数として,BMI,SMI,咬筋厚(安静時・咬合時),筋輝度を独立変数とした重回帰分析を行った.すべての統計の有意水準は,5%未満とした. 最大咬合力に影響を与える有意な因子として,筋輝度が抽出され,回帰係は-0.787(p<0.01)であった.最大咬合力は,四肢の筋肉量の指標であるSMIや,咬合時の咬筋厚よりも,咬筋の筋輝度と強い相関が認められた. 筋輝度は,筋生検による脂肪浸潤と関連することが報告されている3).また,筋ジストロフィー患者を対象に超音波診断装置を用いた口腔周囲筋の評価において,筋輝度は摂食嚥下機能低下の指標の一つとなると報告されている4).今回の結果からも,咬筋の筋輝度を指標とした質的評価が口腔機能評価法として有用である可能性が示唆された. また,今回我々が行った超音波診断装置を用いた咬筋の筋輝度を指標とした口腔機能評価法は,簡便に実施することが可能であり,今後は高齢者施設入所者を対象として,対象者を増やした調査を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常成人ボランティアを対象とした調査により、SMIやBMI、咬筋の厚さなどの項目と比較して、超音波診断装置による咬筋の筋輝度評価と既存の最大咬合力評価法であるDENTAL PRESCALEの測定値の間に強い相関を認めることができた。 研究実施計画の記した測定機器と一部異なる測定機器を使用することになったものの、計画は概ね遂行できたものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は高齢者施設入所者を対象として、昨年度健常成人ボランティアにて強い相関が認められた超音波診断装置による筋輝度評価を咬筋に加えて、舌筋群も加えて実施する予定である。また、健常成人ボランティアでは相関が認められなかったSMI、BMIや金の厚さに関する評価も同時に実施する。また、現在の摂取可能食品と筋輝度との関連性についても調査を実施する予定である。 現在、協力施設を選定するとともに施設利用者ならびに大学者に対して研究説明を実施し、多くの対象者に参加いただけるよう準備しすすめている。
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Causes of Carryover |
研究計画書に記載していた超音波診断装置が当該予算では購入できなくなってしまったため、本研究に使用できる代替機種を選定した。結果として、超音波診断装置は上位機種との価格差が大きく、次年度使用額が生じることとなった。
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