2019 Fiscal Year Research-status Report
赤外自由電子レーザーによる殺菌作用及び歯周病原因子の不活性化作用についての研究
Project/Area Number |
18K09895
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
遠山 歳三 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任講師 (60638906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 彩佳 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (00609414)
築山 光一 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 教授 (20188519)
浜田 信城 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20247315)
吉野 文彦 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (20308307)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯周病 / 赤外自由電子レーザー / 歯周病原因子 / aPDT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「赤外自由電子レーザー(FEL)による殺菌作用及び歯周病原因子の不活性化作用についての研究」を目的として下記の研究を遂行した。殺菌作用及び歯周病原因子を不活性化する波長を探索するため赤外波長吸収計(FT‐IR)をもちいて各種細菌及の吸収波長を測定した。平板培地より釣菌したE-coliおよび S.mutans P.gingivarisを乾燥状態にし、赤外吸収波長分光計で測定し適切な吸収波長を計測した結果6.62マイクロメートルおよび数波長に対し高い吸光度を示した。FT-IRにて吸収が認められた波長を歯周病原菌であるP.gingivarisおよび一般細菌であるE-Coliに照射した結果、波長6.62マイクロメートルにて有意に殺菌効果が認められた。照射中の温度変化においてはサーモカメラにて測定したところ、1時間の照射時間中において±1~2℃の温度変化を認めた。照射後の各種 細菌を走査型電子顕微鏡で観察した結果、波長6.62マイクロメートルにおいて菌体破壊増を認めた。 歯周病原因子の不活性化に対応した波長を探索するためE-coli由来のLPSを用いFT-IRにて吸収波長を測定した結果、5波長ほどの有効と思われる波長を認めた。これらの波長を用いて歯周病原因子に対する照射を行った結果波長7.14マイクロメートルにて歯周病原因子であるLPSの失活を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 当該年度はFT‐IRにて各種歯周病原細菌の吸収波長の解析を行い、決定された条件で各波長の FEL の照射を行い,照射後の細菌を各種培地に塗抹、培養し生菌数を算出するColony Forming Unit測定によりFELの殺菌効果の評価および、歯周病原因子の失活効果の評価を行うことが目的であった。 よって吸収波長の特定及び殺菌効果の測定が行え、失活効果を有する波長の絞り込みを行うことができたが、波長による失活効果の作用機序の検討に時間を要すると思われる。また、連携施設である東京理科大学に設置されている赤外自由電子レーザー装置の故障および、昨今の新型コロナウィルス対応による施設の閉鎖などによりやや遅れていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、殺菌効果のさらなる測定を行い、FELを用いたLPSの失活効果の検討を行う。FELのLPS菌体由来歯周病原因子の無毒化の評価・検討はFT-IR を用 いて解析を行う。生成された LPS標品に対してFT-IRを用いて吸収波長を解析し照射波長および照射時間を決定する。 決定された条件で各波長のFELの照射を行う。照射後、LPSの無毒化の評価・検討をさらに行うことにより、最終的に最も安全性が高く、効果的なaPDTによる殺菌および、照射LPSの無毒化法を確立する。
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Causes of Carryover |
連携施設での赤外自由電子レーザー装置故障に伴い、予定していた研究活動及び学会発表などが取りやめとなったため。
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Research Products
(5 results)