2018 Fiscal Year Research-status Report
Studies of Salivary Biomarkers for Predicting Periodontitis Progression
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18K09898
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
友藤 孝明 朝日大学, 歯学部, 教授 (80335629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 理浩 朝日大学, 歯学部, 助教 (30815569)
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
米田 俊樹 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60756071)
藤森 浩平 岡山大学, 大学病院, 医員 (70813624)
廣瀬 晃子 朝日大学, 歯学部, 講師 (90173278)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 重症化予測 / 歯周病 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、病気の進展の指標となるバイオマーカーについて、生化学的な所見や画像(イメージング)を用いた研究が盛んに行われている。なかでも、体液中のmicroRNA(遺伝子の転写後発現調節に関与する21-25塩基長のRNA分子)の存在が大きな注目を集めている。本研究の目的は、歯周病の発症前診断や重症化予測を可能とする唾液中のmicroRNAを、コホート研究で検索することである。本年度は、コホート研究の対象者の募集とベースライン時のデータ収集を行った。 今回の募集期間において、120人の慢性歯周炎患者が集まった。すべての対象者から唾液を採取し、RNAを抽出した。そして、対象者を歯周病の重症度別に、軽度歯周病群、中程度歯周病群、および重度歯周病群の3群に分け、マイクロアレイを用いて、軽度歯周病群と重度歯周病群との唾液RNA中のmicroRNA発現を網羅的に比較した。 その結果、4種類のmicroRNA(miR-381-3p、miR-543、miR-144-3p、miR-30b-5p)について、2倍以上の発現比の違いを認めた。さらに、miR-381-3pについては、軽度歯周病群と重度歯周病群との間で有意差を示した(p<0.05)。また、年齢、性別を調整した重回帰分析を行ったところ、歯周ポケットの深さとmiR-381-3pの発現比との間に、有意な正の相関を認めた(p<0.05)。これらの結果は、唾液中のmiR-381-3pが、歯周病の重症度を反映したバイオマーカー候補であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象者について、予定の100人を超える120人の慢性歯周炎患者が集まった。また、パイロット研究において歯周病の重症度を区別できる唾液中のmicroRNAを発見できた。以上のことから、おおむね順調に進展している、と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
6ヶ月後、1年後、2年後、および3年後のフォローアップ時のデータ収集(問診、アンケート調査、歯周検査)を行う。ベースライン時と比べて、クリニカルアタッチメントレベルが3 mmを超えて大きくなる歯が1歯以上認める場合を、歯周病進行群と定義し、唾液のmicroRNAの発現の違いを、歯周病進行群と非進行群との間でマイクロアレイを用いて比較し、バイオマーカーとしての有用性を検討する。
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Causes of Carryover |
当初の計画と比べて、2018年度のマイクロアレイの解析数が少なったことが、次年度使用額が生じた理由である。この点は、2019年度のマイクロアレイの解析数を増やすことで調整する予定である。
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Research Products
(2 results)