2018 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能訓練を含む歯科介入は術後頭頚部癌患者のQOLを改善できるか
Project/Area Number |
18K09909
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横井 彩 岡山大学, 大学病院, 医員 (00612649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 玲子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00379760)
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
江國 大輔 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70346443)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頭頸部がん / Quality of life / 口腔機能 / オーラルディアドコキネシス |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部がんの治療を受けた患者は、口の中の機能(口腔機能)や、治療後のQuality of life(QOL)が低下する。頭頸部がん治療後のQOLには、手術からの経過時間や、放射線化学療法の有無などが関係しているが、実際の口腔機能とQOLとの関係は不明な点が多い。そこで、本研究の目的を、頭頸部がんの治療を受けた患者に対し、口腔機能を改善させることで、治療後のQOLを改善できるか検討することとした。 平成30年度は、頭頸部がん患者におけるQOLの低下とその関連する因子について検討した。具体的には、過去に頭頸部がんの治療を受けた患者に対し、QOLを評価するアンケート(EORTC-C30とEORTC-H&N35)を実施し、頭頸部がん治療後のQOLを評価した。また同時に、口腔機能について評価した。口腔機能は舌の上の菌の量、乾燥度、舌の力、口の開き具合、咬み合わせ、オーラルディアドコキネシスを評価した。オーラルディアドコキネシスは、口腔機能を評価する指標の一つであり、「パ」「タ」「カ」を5秒間、できるだけ早く発声し、それぞれ一秒間に発声できた回数を評価した。発声機能の速度と規則性を評価することができ、飲み込みの状態にも関連があることが報告されている。 平成30年度は22名の頭頸部がん治療後の患者に対して評価した。平均年齢は68±9歳であった。副鼻腔がん、口腔がん、喉頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん、唾液腺がんの診断を受け、手術や、放射線・化学療法を受けていた。頭頸部がん治療後のQOLと口腔機能とを比較した結果、オーラルディアドコキネシスが良好であった患者は、統計学的に有意に治療後のQOLが良好であった(p<0.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は臨床研究であり、研究をすすめるにあたり、倫理委員会への申請が必要であった。そのため、被験者の募集を開始する時期が半年ほど遅れた。それにともない、平成30年度にデータを収集できた被験者数が、当初の予定よりも少なったため、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度よりも被験者数を増やす必要がある。そのため、口腔機能を測定する歯科医師を増やし、一度に複数人の測定が可能となるよう、口腔機能の評価体制をととのえることで、被験者数の拡大をめざす。
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Causes of Carryover |
平成30年度の被験者数が当初の計画より少なかったため、被験者の口腔機能の測定やQOLの評価に費やす消耗品等の研究費も少なかった。そのため、次年度使用が生じた。次年度は被験者の増員が見込まれるため、増員分に費やす研究費について、30年度の余剰分をあてることとする。
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