2020 Fiscal Year Research-status Report
歯周病による動脈硬化発症におけるアディポカインとマクロファージの相互作用解析
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18K09914
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古堅 麗子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90253674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 俊行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (10170515)
林田 秀明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (20238140)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アディポカイン / 歯周病 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周組織から分離した歯肉線維芽細胞や口腔上皮細胞とヒト由来単球および好中球の分離した細胞ならびに単球系細胞HL60細胞にPMA処理やDMSO及びレチノイン処理してマクロファージおよび好中球系細胞に分化させた細胞での共培養システムを構築し、歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis 由来のリポ多糖(LPS)や細菌菌体成分によるによる刺激の有無及び濃度の違いによる細胞の増殖能の違いや形態的変化を確認した。さらに、各種アディポカインであるレジスチン、PAI-1、アディポネクチン、レプチンを単独もしくはLPSや菌体成分と組み合わせて添加した条件で比較し、形態的変化と細胞表面のICAM-1など接着因子の発現の変化を確認したところ、歯周病で想定されるLPSの濃度では、明らかな形態的変化や接着因子の変動は認めなかったが、他因子と組み合わせて刺激することで、変化が認められるため、慢性炎症の状態である肥満や糖尿病と歯周病が相加的に影響しあうこととの関連が示唆された。 各種刺激下で培養した細胞よりmRNAを抽出し、real time PCR法にて各種サイトカイン、ケモカインのmRNAレベルを比較し、さらにWestern blottingにより各種タンパクレベルでの発現を比較した。次に、培地を高血糖にした上でのLPS添加の有無及び濃度の違いによる、各種サイトカイン、ケモカインの培養上清中の量と細胞内のmRNAレベルを比較し、Western blottingによりタンパクレベルでの発現を通常培地と比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト歯肉線維芽細胞や口腔上皮細胞とヒト由来単球およびマクロファージ系細胞との共培養について、LPSや菌体成分添加の有無及び濃度の違いによる細胞の形態的変化を確認後、培養上清中のサイトカインであるIL-1, IL-6, IL-10等とケモカインであるMCP-1, IL-8等の量をELISA法にて測定した。
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Strategy for Future Research Activity |
各種条件での刺激で培養後の細胞をイメージングフローサイトメーターを用いて、ICAM-1, VCAM-1などの各種接着因子の発現と細胞形態との関連を解析予定である。
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Causes of Carryover |
抑制剤として使用する試薬について共通で使用することが可能であったため、本年度までは新たに購入する必要がなかったが、今後は新たに試薬を購入する必要があるため、使用予定額が必要になる。
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