2020 Fiscal Year Annual Research Report
Malfunction of clock genes in lifestyle-related diseases
Project/Area Number |
18K09921
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田口 千恵子 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (80434091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 恵 (長井恵) 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30343578)
有川 量崇 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50318325)
Bhawal Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50433339)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 時計遺伝子 / 高脂肪食 / インスリン抵抗性 / 肥満 / FOXO1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高脂肪食摂取による代謝物が,歯肉上皮や歯槽骨に及ぼす影響についてその代謝物を網羅的遺伝子解析により同定し,作用機序を明らかにすることを目的とした。まず,C57BL/6Jマウスに,高脂肪食(脂肪割合60kcal%)(以下,High-Fat群)と低脂肪食(脂肪割合10kcal%)(以下,Low-Fat群)を3ヶ月間摂取させ,口腔組織にどのような違いが現れるのかを検討した。歯肉組織に対する遺伝子解析のためReal-time PCRを用いて実施した結果,High-Fat群では,炎症の発症に伴うTNFαやTGFβの発現レベルが高値を示すことを確認した。このことから高脂肪食の摂取は口腔組織のプロファイルに影響を与える可能性が示された。一方,High-Fat群において,ケモカインである単球走化性因子MCP-1の発現が亢進されることも確認できた。これらの結果から,高脂肪食摂取が歯周炎の発症に与える影響は,高脂肪に伴う高カロリー量に大きく影響される可能性が示唆された。なお,DEC1KOマウスにおいては,TNFαやTGFβの発現量の増加は認められなかった。 また,インスリン抵抗性は肥満や2型糖尿病の特徴的な病態のひとつであり,インスリン抵抗性の発症にはアディポカインとよばれる脂肪組織に由来するさまざまなホルモン様のタンパク質が関係している。今回の解析によりインスリン抵抗性のバイオマーカーの探索を行った結果,FOXO1がインスリン抵抗性の発症において鍵となる新規のマーカーであることを発見した。さらに,FOXO1により誘導されるインスリン抵抗性をインターロイキン6(IL-6) が媒介することも明らかにされた。 以上のことから,FOXO1は高脂肪食を要因とするインスリン抵抗性と肥満に対しIL-6を介し誘導するアディポカインであることが明らかになった。また,FOXO1はインスリン抵抗性や肥満のバイオマーカーならびにそれらの新たな治療標的となる可能性がある。
|
Research Products
(10 results)