• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

舌下粘膜組織に存在する免疫細胞クラスターの口腔免疫応答における役割の解明

Research Project

Project/Area Number 18K09930
Research InstitutionOsaka Ohtani University

Principal Investigator

楠本 豊  大阪大谷大学, 薬学部, 准教授 (40252689)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 戸村 道夫  大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (30314321)
片岡 宏介  徳島大学, 歯学部, 教授 (50283792)
守屋 大樹  酪農学園大学, 獣医学群, 助教 (30759759)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords舌下免疫 / 樹状細胞 / クラスター
Outline of Annual Research Achievements

CD11c+細胞、すなわち樹状細胞(DC)が黄色蛍光タンパク質を発現するマウスの観察から、DCが口腔内の粘膜で部位特異的な分布を示し、さらに舌下免疫療法のアレルゲン投与部位にあたる舌下粘膜に同細胞の集積(クラスター)を見いだし、このクラスターを構成するDCサブセットを遺伝子改変マウスを用いて示してきた。さらに、野生型C57BL/6マウスにKikGR Foxp3マウスの骨髄細胞を導入したキメラマウスの作製し、クラスター内のリンパ球サブセットの解析を行った。KikGRは光変光蛍光タンパク質で、KikGRマウスは全身の全ての細胞でこのタンパク質を発現し、紫光を照射すると細胞が緑から赤の蛍光に変化する。さらに同マウスのFoxp3発現細胞すなわち制御性T細胞(Treg)にヒトCD2を発現させている。このキメラマウスでは、舌下粘膜にCD11c-YFPマウスと同様のクラスターを観察できた。共焦点レーザー顕微鏡のregion of interestの機能を用いて、この定常状態のキメラマウスの舌下のクラスターのみに光を当て、赤く変光したクラスター構成細胞と緑のクラスター以外の細胞を分取し、解析を行った。その結果、DCの集積と考えられたクラスターには、T細胞が存在する事、さらに、CD4+T細胞とCD8+T細胞の存在比率が約3対1とCD4+T細胞が多いことが判明した。興味深いことに、CD4+T細胞のうちTregが約30%を占めていることが分かった。クラスターを免疫組織切片で観察したところ、樹状細胞とTregが接して存在する事も確認した。皮膚や膣粘膜、肺組織などに、免疫細胞のクラスターの存在が報告されているが、Tregをこれほど多く含むクラスターの報告はない。舌下粘膜に特徴的な免疫細胞のクラスターであることが考えられた。現在、舌下への抗原投与を行い、このクラスターの変化を調べている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度の報告書の「推進方策」で記載した内容に関しては本報告書の進捗状況で記載したとおりほぼ達成できていると考えるが、昨年度の交付金の「次年度使用が生じた理由」の欄で、キメラマウスの解析から得た結果を基に、単細胞遺伝子解析を行う予定を記している。キメラマウスを用いたクラスター構成細胞の解析を基に行う予定であった単細胞遺伝子解析まで踏み込めなかった。この点でやや遅れていると判断している。理由として、新型コロナウイルス感染拡大により、研究エフォートが極端に低下したことが挙げられる。

Strategy for Future Research Activity

昨年度まで、定常状態、すなわち抗原刺激のない状況のマウスの舌下クラスターの解析を行ってきた。今年度の推進方策は、昨年度実施出来なかった計画も含め以下の実験を予定している
1.定常状態のクラスター構成細胞の解析結果から、単細胞遺伝子解析を行い、クラスター構成細胞が特異的に発現している遺伝子を解析する。これにより、クラスターの持つ機能、クラスタの形成機構の糸口を探る。
2.舌下に抗原を投与することによる舌下面のクラスターの変化を検討する。投与方法は、舌下ワクチンを想定した条件による投与、舌下免疫療法を想定した条件による投与を予定している。これまでに確立したキメラマウスを用いたクラスター構成細胞の解析を行い、免疫応答誘導時の単細胞遺伝子解析の元となるデータを構築する。
3.将来、舌下免疫療法を想定して全身性のI型アレルギー反応に対して舌下粘膜のクラスターの役割を検討する事を予定している。そのために、現在I型アレルギー反応を誘導するモデルマウスの実験系を作成している。本年度も継続する。
本学が所在する大阪府は、4月25日から再び緊急事態宣言が発令されている。昨年度ほどの影響はないと考えるが、今後の研究活動に何らかの影響が及ぶ可能性がある。上記の予定を出来るだけ完遂したいと考える。

Causes of Carryover

「現在までの進捗状況」で記載したとおり、昨年度の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、予定していた実験が一部遂行できなかった。その実験を本年度に遂行するために次年度使用とさせていただいた。具体的には、「今後の研究の推進方策」で記したように、抗原投与時のクラスター構成細胞の変化と、クラスター構成細胞の単細胞遺伝子解析に用いる。

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi