2019 Fiscal Year Research-status Report
アジアにおける膵癌早期発見率の向上を目指した国際間遠隔教育プログラムの実現
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18K09945
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
麻生 暁 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50621702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 孔梨子 九州大学, 大学病院, 助教 (50644796)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
藤森 尚 九州大学, 大学病院, 助教 (60808137)
清水 周次 九州大学, 大学病院, 教授 (70274454)
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 准教授 (20452758)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵癌 / 超音波内視鏡 / EUS / 遠隔医療会議 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はこれまでに我々が構築した遠隔医療システムを応用し、アジア諸国における胆膵超音波内視鏡(EUS)関連手技の普及と膵癌の診療成績向上を目的としている。2019年度は研究実施計画の通り拠点施設におけるEUS診療の実態調査・現地指導を継続すると共に、2018年度末に開始したEUSに関する遠隔医療会議(EUS-Asia teleconference)を本格稼働・発展させた。これまでのアジア遠隔医療開発センター(TEMDEC)からの接続実績を考慮して、当初は下記施設で遠隔医療会議を開始した。 接続施設:復旦大学中山病院(上海)、チュラロンコン王立記念病院(バンコク)、インドネシア大学病院(ジャカルタ)、チョーレイ病院(ホーチミン)、マラヤ大学(マレーシア)、北九州市立医療センター、九州大学病院 上記の他に、麻生・藤森が2019年8月に北京大学(PUMCH)を訪問し、実態調査・情報交換と実技指導を行った。その結果、PUMCHも遠隔医療会議に参加頂けることとなり、新規接続施設とした。この他、これまでのTEMDECネットワークを生かし、ミャンマーの主要2施設(サンピア総合病院、マンダレー総合病院)及び台湾大学も加え、EUS-Asia teleconferenceを拡大発展させることができ、第二回~四回の遠隔会議を年度内に開催するに至った(開催年月日:2019/7/4, 2019/10/17, 2020/2/13)。各施設からのプレゼンテーションを元に、タイムラグのない情報交換を可能とする遠隔web会議の最大の利点を生かすことで、各国のEUS診療向上へ貢献できたものと考える。次年度以降も接続施設の更なる拡充を視野に継続予定である。 尚、本研究成果の一部を、国際会議(Asian EUS 2019, 東京)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
参加施設の一部(復旦大学中山病院(上海)、チュラロンコン王立記念病院(バンコク)、インドネシア大学病院(ジャカルタ)、チョーレイ病院(ホーチミン))への訪問並びに情報収集を2018年度中に終え、研究実績の概要へ記載した通り、2019年3月より遠隔医療会議(EUS-Asia teleconference)を開始した。2019年度は定期的な遠隔会議を実施しながら、接続施設を拡充(北京大学、台湾大学、サンピア総合病院、マンダレー総合病院)することができた。また、研究結果の一部を国際会議でも発表した。一方で新型コロナウイルス感染の影響で渡航制限がかかり、当初参加予定していたタイ内視鏡学会の参加が不能になるなど、一部の国際交流が困難となった 上記を総合して、「おおむね順調に推移している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の3年目に当たる令和2年度は遠隔医療会議の定期的な開催と更なる充実を主要な実施計画とする。併せて、遠隔医療会議前後の評価(EUS全検査数から見た膵癌発見率、各施設でのEUS実施件数など)に関するアンケート調査も検討する。更にこれまで訪問できなかった施設を中心に現地訪問・情報交換・実技指導を継続することを目標とする。一方で、新型コロナウイルス感染の全世界的な拡大により、海外渡航や外国人医師の招聘など、直接的な人材交流に大きな影響が続くことも予想される。影響が長期化した場合は、研究計画の大幅な修正を余儀なくされる可能性があり、社会情勢も慎重に見つつ、本研究を推進していく予定である。現地訪問が難しい場合は、遠隔医療会議の利点を生かして、webを通じて技術指導やデモンストレーションを行うことも検討する。上記を通じて各施設との円滑なコミュニケーションを図り、遠隔医療会議への新規参加希望施設があれば、施設追加も検討する。また、施設単位のみならず、新規参加希望医師がいれば、個人のパソコンに接続することで更なるネットワーク拡充を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、新型コロナウイルス感染拡大により2020年2月のタイ内視鏡学会への参加中止を余儀なくされたためである。丁度感染拡大期と重なり、正式な渡航延期勧告の前であったが、安全面を考慮して中止した。本年度の支出項目には上記の旅費キャンセル料を含めて計上した。 国内でのコロナウイルス感染の収束状況や世界情勢も勘案しながら、来年度助成金と合わせて適切に使用する。本研究内容から、主には海外渡航に要する旅費に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)