2019 Fiscal Year Research-status Report
女性の予防医療のためのシミュレーション医療教育プログラム開発-検診率向上を目指し
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18K09977
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森村 美奈 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (00364000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
首藤 太一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20295687)
竹本 恭彦 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20364002)
中野 朱美 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00599300)
栩野 吉弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90382051)
森崎 珠実 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (90743047)
衣畑 成紀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (30534622)
小林 正宜 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 医員 (80794065)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子宮頚部細胞診 / 乳癌検診 / 女性診察手技 / 医療面接 / シミュレーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、女性特有の疾患を未然に防ぐための教育システムを構築するために、以下の検討を行う。方法として、1)コミュニケーション能力の向上のためのカリキュラムの構築。2)子宮頸がん検診の実施方法や乳房診察、分娩介助、産科病院前救護といった、産婦人科専門医以外の医療者も適切な対応ができるような教育方法の確立。それらを、主にシミュレーション教育で構築する。具体的には、非産婦人科専門医である、医学生、研修医に対し、模擬患者やシミュレーターを用いた実習を実施し、それぞれアンケート調査や、実習者の意見、ファシリテーターの意見や評価を収集し分析した。1.A大学医学部医学科4年生における、医療コミュニケーション実習において、患者シナリオ作成のワークを行ったところ、患者の心理・社会的背景を知ることの重要性に気づきが見られた。2.A大学医学部医学科に対して、2018年度及び、2019年度に、専門診療について未修学の低学年から臨床実習を経験した高学年までの医学生の有志に対し、子宮頸部細胞診と分娩介助を行う上での知識と手技のシミュレーション実習を行った。3.A大学医学部附属病院の1年目研修医全員に受講者として、また、2年目研修医にファシリテーターとしてのアンケート調査を行った。また、2018年度、2019年度はアンケート調査に加え、受講者およびファシリテーターにインタビューを実施した。プログラムに関するアンケート調査の結果は概ね高評価であった。同様の他のプログラムとの比較検討し、医学生に対するプログラムよりも、医療者に対するプログラムは、より実臨床に近いシナリオに基づき実習することが効果的と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この研究では、医療者に対する、安心で安全な女性診察手技のシミュレーションを中心とした教育プログラムを構築することをアウトカムにしている。そのために必要な、一般女性からの意見をいただく機会を作る予定であった。具体的には、一般女性に対する、女性特有疾患のがん検診や産科救護について、集団での体験型のレクチャーを開催し、その後のアンケートやインタビューによって、意見や要望などを収集し、解析し、より受診者のニーズにあった手技や態度を学べる、教育プログラムを検討する予定であった。しかし、研究倫理の問題の解決に至らないうちに、COVID-19感染の蔓延期に入り、今後、研究期間内にこれらの研究方法を実施できる見込みが、立たなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、本来の研究計画では、一般市民ボランティアに向けて、健診についてのセミナーを開催し、参加者へのインタビューやアンケートによる、ニーズに確認や検診や検査を実施する医療者への要望を調査する予定であったが、社会的・医学的に研究機関内の実施が困難になったため、プログラムの評価を他科医師や医療スタッフへのインタビューやアンケートに変更して、調査を行う。 また、今年度のシミュレーション実習についても、同じ事情で、開催時期が未定となったため、これまで実施したプログラムの内容を再検討し、前述の調査結果を踏まえて、教育プログラムを作成する。今年中に、社会的・医学的に可能な状況になれば、作成した実習プログラムを実施し、その評価を行う。それらの結果を、発表する。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた、シミュレーション実習が開催できず、その必要経費の支出が実行されなかった。次年度に、繰り越された実習やセミナーの開催も、社会的、医学的事情で、開催困難となったため、次年度の研究計画を変更し、通信手段によるデータ収集とインタビューの分析を行い、新しい実習プログラムの構築を試みる。また、これまでの研究成果の発表のための諸経費として運用する。
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Research Products
(1 results)