2019 Fiscal Year Research-status Report
高血圧による非アルコール性脂肪性肝炎発症・進展とその作用機序の解明
Project/Area Number |
18K10033
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
内藤 久雄 藤田医科大学, 医学部, 講師 (90547556)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 高血圧 / プロテオミクス / 薬物代謝酵素 / 肝線維化 / CYP7A1 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
高脂肪・高コレステロール(HFC)飼料摂取により短期間で肝炎・線維化に進展するモデルラット(SHRSP5/Dmcr)とその系統元(WKY、SHR)を比較することによって、肝炎・線維化発症進展メカニズムの解明をこれまで行ってきている。この研究では系統元との比較により、高血圧因子が肝炎・線維化進展の影響に関与するかを明らかにするために、昨年度は胆汁酸異化の律速酵素であるCyp7a1遺伝子のメチル化頻度を測定した。その結果、HFC摂取によりCyp7a1遺伝子のメチル化頻度が増加し、さらに通常血圧ラットであるWKYよりも高血圧ラットのSHR、SHRSP5/Dmcrでは通常飼料摂取時のCyp7a1遺伝子のメチル化頻度が高くなっていることが判明した。 今年度は、定量リアルタイムPCR法でのCyp7a1 mRNAの発現量には各系統で差がないにもかかわらず、CYP7A1蛋白の発現量はWKY群で有意に少なかったことから、各系統のコントロール飼料群、HFC飼料群の肝臓ホモジネートを用いて、Orbitrap LC-MSにて測定した(各群4匹、うち3匹での解析)。検出された蛋白質は2665物質同定された。解析はProteome Discoverer 2.2 にて PCA および、グループ間での差異の解析を行い、PCA解析結果ではWKYとSHR,SHRSP5/Dmcr群では異なるベクトルでの差が認められた。いくつかの薬物代謝酵素が検出されており、今後は、各蛋白ごとの解析を薬物代謝酵素を中心に行っていき、必要に応じてWestarn Blot法で検出された蛋白発現量の定量化を行っていき、論文作成をしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目ですべてのプロテオミクス解析が終了したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
同定された2665の蛋白質の各群での発現量の差異の解析を行っていき、差があった蛋白に関して、Western Blot法で蛋白定量を行っていき、論文化する。
|
Causes of Carryover |
学内でのプロテオミクス解析に関わる費用が安くなったため(解析件数を増やした)。残予算はプロテオミクス解析によって明らかになった同定蛋白質の抗体の購入にあてる。
|