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2019 Fiscal Year Research-status Report

生殖補助医療および母体環境要因による高次脳機能への影響の解明とリスク評価系の構築

Research Project

Project/Area Number 18K10058
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

遠藤 整  東海大学, 医学部, 講師 (10550551)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大和田 賢  東海大学, 医学部, 助教 (40756409)
住吉 秀明  東海大学, 医学部, 講師 (60343357)
阿部 幸一郎  東海大学, 医学部, 准教授 (90294123)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
KeywordsTHAラット / 高学習能
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、THAラットの母子間相互作用に関わる因子の特定とその役割について推定し、各種検討を行った。THAラットはレバー押しによる回避行動試験において、生得的に高い学習成績を獲得できることが担保された高学習能モデル動物である。
これまでの検討結果から、子宮内環境がTHAラットの表現型に重要な役割を果たしていることが推測されたため、THAラットの母子間相互作用に関わる因子は、THAラットの高学習能を規定する因子であることが予想される。表現型に大きく関わる分子として代謝産物Xに着目し、学習行動や系統との関連性を調べた。血中および各臓器において代謝産物Xの濃度は、THAラットの基になっているWistarラットと比較し、THAラットでは著明に高いことが分かった。興味深いことに、THAラットの高い血中代謝産物X濃度は、若い週齢時から認められること、学習効果と連動してさらに血中濃度が増加すること、脳(海馬)組織中の濃度も高いことなど多くの知見を得た。しかしながら、代謝産物Xの代謝に関わるとされるいくつかの酵素の発現量について、現在までのところ優位な発現量差を示したものは特定できていない。一方で、代謝産物Xは細胞内のオルガネラの一部で利用されると考えられている。THAラットでは、そのオルガネラの存在量が亢進している結果を得つつあることから、エネルギー代謝の側面から検討を重ねている。代謝産物Xは、食餌由来で体内に取り入れ、代謝を受けることでその生理的機能を発揮するものと考えられている。現在は、代謝産物X量を軽減させた食餌成分を作成、および投与することでTHAラットの表現型にどのような影響を与えるのかなどについて、検討を開始したところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、Wistar, THAラットを用いて、THAラットの表現型に関与する分子や代謝産物などの検討を行うことが出来ている。しかしながら、通年の課題ではあるものの、THAラットを自家繁殖に依存し研究に供していることから、限られた個体数で実験を行う必要があり、実験試行数において未だに不十分な項目がある。一方で、代謝産物Xの代謝酵素やタンパク発現などに関しては、臓器横断的な知見や、学習行動試験との相関についてなど、新たな知見を十分に得ることが出来た。

Strategy for Future Research Activity

これまで通り、研究全般にわたって用いる実験動物は自家繁殖に依存しているため、動物の飼育と施設管理に大きな労力が必要となってくる。これからも、一丸となり継続して取り組む必要がある。既に予備的検討を開始しているが、代謝産物Xを軽減させた食餌や、それに対応するコントロール食餌の作成と投与実験に移行する。代謝産物Xは、生体の恒常性維持に重要な役割を担っていることが予想されることから、注意深く予備検討を行っていく必要がある。

Causes of Carryover

最終年度に代謝産物Xを中心とする多くの代謝産物の測定が必要となり、その充当を考えたためである。また、代謝産物X以外の候補物質や分子の委託測定などが生じることが予想されたための充当でもある。よって、当初の研究計画に大きな差違が生じたためではない。
次年度使用額の使用計画として、代謝産物Xや関連代謝産物の測定キットの購入、学内共同利用の質量分析装置の利用料および測定委託料に充当する。加えて、最終年度の支給額と合わせて、実験動物の維持管理に関わる消耗品や飼料の購入、一般的な分子生物学実験に用いられる消耗品や用品の購入に充てる計画である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2020 2019 Other

All Presentation (3 results) (of which Invited: 2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Tokai High Avoider (THA)ラットを用いた次世代のストレス適応の検討2020

    • Author(s)
      志田侑華里、菅琴美、遠藤整、大和田賢、立道昌幸
    • Organizer
      第90回日本衛生学会学術総会
  • [Presentation] 高学習能モデル動物Tokai High Avoider (THA)ラットを規定するメタボローム特性2019

    • Author(s)
      遠藤整
    • Organizer
      第26回肝細胞研究会
    • Invited
  • [Presentation] 生殖工学技術によるラットの個体復元と表現型への影響2019

    • Author(s)
      遠藤整
    • Organizer
      日本実験動物技術者協会関東支部 REG部会第20回特別講演会
    • Invited
  • [Remarks] 東海大学医学部基盤診療学系 衛生学公衆衛生学HP

    • URL

      http://health.med.u-tokai.ac.jp/index.html

URL: 

Published: 2021-01-27  

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