2021 Fiscal Year Research-status Report
下肢筋量に着目した骨折リスク評価モデルの開発 日本人男性の大規模疫学研究
Project/Area Number |
18K10077
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Research Institution | Chukyo Gakuin University |
Principal Investigator |
立木 隆広 中京学院大学, 看護学部, 准教授 (10734650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
甲田 勝康 関西医科大学, 医学部, 教授 (60273182)
藤田 裕規 近畿大学, 医学部, 講師 (10330797)
北川 淳 北里大学, 一般教育部, 教授 (80260529) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルコペニア / 骨折 / 筋肉量 / 地域在住高齢男性 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、本研究課題のBaseline調査結果を用いて断面解析を行った。また、骨折発生を把握するための追跡調査の計画を行った。 断面解析の対象者は658人、年齢、身長、体重、BMIの平均値±標準偏差はそれぞれ、81.6±4.0歳、161.7±5.6cm、61.2±8.4kg、23.4±2.7kg/㎡であった。筋肉量の指標は、四肢骨格筋量指数(ASMI)、両下肢筋肉量を身長の2乗で除したもの(下肢ASMI)、両下肢筋肉量/BMIそれぞれ、7.03±0.74kg/㎡、5.16±0.56kg/㎡、0.58±0.07㎡であった。既存骨折(Fx)は45例、うち骨粗鬆症性骨折(OPF)が16例、主要骨粗鬆症性骨折(MOF)は9例であった。ASMI、下肢ASMI、両下肢筋肉量/BMIそれぞれを三分位(T1<T2<T3)に分けFx、OPF 、MOFの有病割合を比較した結果、両下肢筋肉量/BMIにおいて、MOFの有病割合がT1からT3にかけて有意な減少傾向を示した(P for trend=0.014)。また、ASMI、下肢ASMI、両下肢筋肉量/BMIそれぞれにおいてT1からT3にかけて、年齢は有意な減少傾向、握力と歩行速度は有意な増加傾向を示した(P for trend<0.01)。一方、腰椎及び大腿骨近位部の骨密度は、ASMIと下肢ASMIにおいてT1からT3にかけて有意な増加傾向を示したが(P for trend<0.01)、両下肢筋肉量/BMIにおいてはT1からT3にかけての有意な増加傾向は示さなかった。これらより、本研究課題の目的である下肢筋肉量低下と骨折リスクの関連の解明や下肢筋肉量に着目した骨折リスク評価モデルの作成において、下肢筋肉量の指標は下肢ASMIのみならず両下肢筋肉量/BMIなどの指標も含め検討する必要性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Baseline調査の終了が本来予定していた時期より遅れたが、当初から十分に追跡期間を確保できる計画としているため遅れは取り戻せ、研究計画の進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、骨折発生状況を把握するため追跡調査を行う。追跡調査で得られた情報は、Baseline調査の情報と突合させデータセットを完成させる。完成したデータセットを用いて、本研究課題の目的である下肢筋肉量低下と骨折リスクの関連の解明や下肢筋肉量に着目した骨折リスク評価モデルの作成を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:次年度使用額が生じたのは、当初の予定になかったBaseline調査の期間が追加され、追跡調査の時期を当初の予定より遅らせたためである。 次年度使用額の使用計画:今回生じた次年度使用額は、実施予定の追跡調査に使用される。
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