2021 Fiscal Year Annual Research Report
Ethanol disturbes inchemic brain edema
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18K10125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片田 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00423757)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳浮腫 / Aquaporin-4 / アストロサイト / アルコール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本国民にとって最も身近な薬物であるアルコールは虚血性脳疾患、主に脳梗塞にどのように影響するかを検討することであった。動物実験として、右中大脳動脈閉塞による脳梗塞モデルを作成し、脳浮腫の評価及び組織学的に虚血巣を検討した。細胞実験では、初代培養アストロサイト及びマイクログリアを使用して、エタノール負荷、oxygen-glucose deprivation (OGD)負荷を行った。脳梗塞後、経時的に脳浮腫が悪化し、脳浮腫の形成に関与するアクアポリン4発現についても同様に増大した。また、アクアポリン4発現については、脳梗塞後5日目までは脳梗塞周辺部の方が、梗塞中心部よりも増大し、7日目では中心部の方が増大した。したがって、脳浮腫軽減治療として、アクアポリン4をターゲットとする場合には、投与方法として、梗塞部位を考慮にいれる方が効果的である可能性が示唆された。アストロサイトにOGD負荷を行うと、負荷後48時間でアクアポリン4発現が増大した。アストロサイトとマイクログリアの共培養では、アクアポリン4発現が低下したことから、OGD負荷によるアクアポリン4発現増大に対して、マイクログリアが抑制的に作用することが示された。エタノールを単独で負荷すると、中程度濃度での負荷時をピークにアクアポリン4発現が増大したが、飲酒者の脳梗塞発症を想定して、OGD負荷をエタノール負荷と共に行うと、単独負荷で認められたピークを伴う変化が消失した。これらのことから、飲酒者の脳梗塞発症における脳浮腫治療は、飲酒の有無だけでなく、血中エタノール濃度をも考慮した上で行う方が効果的である可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)